崖のある土地は相続税が安くなる!「がけ地補正率」を使った宅地の評価方法【税理士の解説】
がけ地補正率を使う上での注意点
がけ地が2方向以上の場合 がけ地が2方向以上にある土地のがけ地補正率は、方位別のがけ地補正率をがけ地の地積で加重平均して求めます。具体的な計算の手順は次のとおりです。 土地の総地積に対するすべてのがけ地部分の割合を求めます。その割合に対応する各方位のがけ地補正率をがけ地補正率表で参照します。それぞれのがけ地補正率を方位別のがけ地の地積で加重平均して、がけ地補正率を算出します。算式で表わすと次のようになります。 【例2】北向きと西向きの2方向にがけ地がある場合のがけ地補正率を求めます。 まず、総地積に対するすべてのがけ地部分の地積の割合を求めます。 がけ地補正率表でがけ地補正率を確認します。がけ地割合は0.45であることから、0.40以上の欄を参照します。 西向きのがけ地補正率は0.82、北向きのがけ地補正率は0.78であることが読み取れます。それぞれのがけ地補正率を方位別のがけ地の地積で加重平均します。 以上の結果、この土地のがけ地補正率は「0.80」となります。 がけ地の向きが東西南北の方角に一致しない場合 がけ地の向きが「北西」のように東西南北の4つの方角に一致しない場合は、北向きと西向きのがけ地補正率を平均した値を使います。 なお、がけ地の向きが「南南西」のような場合は、南向きとみなしてよいことになっています。 【例3】がけ地の向きが北西である土地のがけ地補正率を求めます。 がけ地の向きが北西である土地のがけ地補正率を求めるには、まず、がけ地補正率表で西向きと北向きのがけ地補正率を確認します。この例では、がけ地割合を0.20と仮定します。 西向きの補正率は0.90、北向きの補正率は0.88であることが読み取れます。北西向きのがけ地補正率は、これらの平均値である「0.89」となります。 北西向きのがけ地補正率:(西向きのがけ地補正率0.90+北向きのがけ地補正率0.88)÷2=0.89
税理士法人チェスター