北陸 台風14号 低気圧に変わるも再発達して能登に近づく 22日も大雨厳重警戒
石川県の能登地方は、秋雨前線の影響で、21日の朝から記録的短時間大雨情報が相次いで発表され、線状降水帯の発生や、大雨特別警報が発表されるなど、記録的な大雨となっています。台風14号は本日15時に温帯低気圧に変わましたが、この後秋雨前線に取り込まれて、22日には北陸地方に近づくでしょう。北陸地方では大気の非常に不安定な状態が続く見込みです。22日にかけて、低地への浸水、河川や用水路の急な増水、土砂災害に警戒するとともに、落雷や竜巻などの激しい突風に十分注意してください。
台風14号 温帯低気圧として再発達 22日には北陸で再び大雨や強風
台風14号は21日15時に温帯低気圧に変わりました。この後は、偏西風の強風帯に乗り前線上を速度を上げながら東進、22日朝には北陸地方に近づく見込みです。台風から温帯低気圧に変わっても油断は禁物。引き続き強い暖湿気を伴い、低気圧として再発達するでしょう。低気圧接近時には、短時間の激しい雨や雷雨となり、局地的には非常に激しい雨もありそうです。移動速度が速いため、急激な風の強まりや、風向の急変にも注意して下さい。
能登を中心に 更に短時間で9月一か月分の雨量も 土砂災害に警戒
このあと、秋雨前線は北陸地方をゆっくり南下、前線上を低気圧が東進する見込みです。秋雨前線の活動は引き続き活発で、能登を中心に総雨量が多くなるでしょう。22日夕方にかけての24時間で、更に9月の一か月分に相当する雨量となる所もありそうです。 これまでに降った雨や令和6年能登半島地震の影響で地盤の緩んでいる所があり、土砂災害の危険度が急激に高まっている状態です。自治体から発表される情報に十分注意し、安全確保に努めてください。避難することが危険な場合には、家の中の崖や川から離れた反対側のできるだけ高い所で身の安全を守るようにしてください。
日本海西部のかなり高い海面水温 大雨をもたらす一因に
図は9月20日の日本海の海面水温平年差を示した図です。特に朝鮮半島付近から日本海西部では、平年より5~6度も高く未だに海面水温は30度前後と異常に高くなっています。海面水温が高いと海から雨の原料である水蒸気が大量に供給されます。台風由来や高気圧から流れ込む暖湿気に加えて、日本海西部の海面水温が異常に高いことも秋雨前線を活発化させる一因となり、西(海上)からダイレクトに陸地に強い暖湿気が流れ込むことで、大雨になりやすい条件が揃っていると思われます。
23日~24日は秋の空気に覆われて天気回復
23日~24日は秋雨前線は日本の南の海上まで下がる見込みです。天気は次第に回復に向かい、24日を中心に晴れ間が広がるでしょう。比較的乾いた秋の空気に覆われて、日差しはあっても最高気温30度以上の真夏日地点は少なく、からっとした暑さとなりそうです。
日本気象協会 北陸支店 河原 毅