「食中毒の危険性があるのでは」「めっちゃ危ない」と炎上…。生焼けハンバーグ騒動を生んだ外食業界の“病巣”
有名どころでいえば、静岡県内で展開するハンバーグ店「さわやか」。同店のハンバーグは、外は焼き目を付けつつ中はレアな状態で仕上げている。アツアツの鉄板にのせて提供し、その場でスタッフが半分にカットし、断面をアツアツの鉄板に押し付けながら追い焼きする。 【2024年12月17日11時05分追記】初出時、提供方法について誤りがありました。お詫びして修正致します。 現在「さわやか」は静岡県内に34店舗を展開。多数の店舗で多くの人に愛される「さわやか」のハンバーグは、当然ながら工場で徹底した衛生管理のもと製造されており、しっかりと安全が担保されている。
福岡発で東京や名古屋などでも展開する「極味や」も生肉ハンバーグで有名な店だ。 同店のハンバーグは表面に軽く焼き目を付けただけで、ほぼ生で提供されるが、その後、席の目の前にある鉄板で客自身がハンバーグを焼きながら楽しむというもの。 外国人観光客にも人気で、長蛇の列ができていることもしばしば。同店も、ハンバーグはセントラルキッチンで衛生的に管理・加工され、各店舗に配送されているという。 ■安易なパクリが安全性を脅かす
規模の大きい人気店は、当然ながら安全面にもしっかりと配慮している。いち個人店が見様見真似で作ってもその安全性まで同等にできるとは限らない。 特に今回のハンバーグについては、スタッフや客が「後から焼く」という体験型のメニューであったこともポイントだ。「さわやか」や「極味や」はレアな状態で提供され、スタッフや客が焼くという体験込みで人気の商品となっている。そうした個々にゆだねる部分があっても大丈夫なように衛生面を設計しているからこそ成立しているものだ。
人気のメニューは、工場の衛生面を整備したり生肉提供許可を取得したりと、コストをしっかりとかけている。華やかな見た目の裏には人気を下支えする努力やコストが隠れているのだ。 安易なパクりは、客への健康被害を及ぼす可能性に加え、まじめに衛生対策を行っている店への風評被害にもなってしまう。飲食店には、表面だけでなく本質を伴ったメニュー開発に励んでほしいと願う。
大関 まなみ :フードスタジアム編集長/飲食トレンドを発信する人