FIA世界自動車連盟による"スリースター（三つ星）"環境認定を取得したことを発表したETRCヨーロピアン・トラック・レーシング・チャンピオンシップ

　欧州トラックレーシングの最高峰、ETRCヨーロピアン・トラック・レーシング・チャンピオンシップを統括するETRAプロモーションは、シリーズで継続する持続可能性への取り組みが認められ、FIA国際自動車連盟による“スリースター（三つ星）”環境認定を取得したことを発表。これは統括団体による、サステナビリティ活動に対する最高レベルの認定となっている。 【写真】ワンメイクタイヤを供給するグッドイヤーも、直近でFIAスリースター環境認定を取得している 　このFIAによる3段階の環境認定プログラムは、世界中のモータースポーツやモビリティ関係者が環境パフォーマンスを測定し、改善するのに役立てることを目指した指標とされ、FIAが任命した国際標準化機構（ISO）の経験を持つ独立した監査人によって監査される。 　その監査レポートでは、これまでのETRCにおけるさまざまな取り組みが紹介され、2021年に100パーセント持続可能な燃料（HVOバイオディーゼル）に切り替えた最初のモータースポーツ・シリーズである点や、燃料の生成から車両での消費にいたる全サイクルで、炭素排出量を最大90%と大幅に削減したことが強調された。 　また「水素が世界的な商用車部門で重要な動力源となる」との予測から、公式のFIA水素ワーキンググループを設立し、現時点でも同じグリッド上で内燃機関、電気モーターとバッテリー、そして水素と、異なるパワートレインを許容するなどユニークな取り組みが認められたもの。 　さらにタイトルパートナーとしてワンメイクタイヤを供給するグッドイヤーも、直近でFIA ETRCタイヤを対象とする同様のFIAスリースター環境認定を取得している。 「こうしてETRCでの持続可能性への取り組みが認められ、FIAの3つ星環境認証を取得したことを非常に誇りに思う」と語るのは、シリーズのESG兼コミュニケーション責任者を務めるバーバラ・プロスケ。 「この成果は、環境への影響を削減するための取り組みを継続するなかで、持続可能性への移行の旅における最新のステップになるでしょうね」 　同じく、統括団体ETRAのマネージングディレクターであるゲオルグ・フックスも「FIAの3つ星環境認証は、当社の取り組みを実証するもの」だと、その成果に自信を示す。 「そして、長年のパートナーや環境認証を取得している多くの地元の主催者、献身的なレースチームおよびFIAとの共同コミットメントを証明し、さらなる持続可能性への取り組みを強調するものでもある」 　そんなシリーズの取り組みと協調するように、チームとして2022年にFIA認定の“シングルスター”を取得していたアントニオ・アルバセテ所属のTスポーツ・ベルナウも、レーストラックに100パーセントのHVO燃料を使用することはもとより、サーキットやワークショップでの廃棄物リサイクルや100％グリーン電力の使用などにより、新たに“ツースター”認定を取得する最初のETRCチームとなった。 　そのTスポーツ・ベルナウでは、さらに洗車用の雨水収集システム、レーストレーラーへのヴァルタAGMバッテリーなどの新技術の統合や、トラクターユニットをユーロ3からユーロ6にアップグレードし、各地へのスマートなルート計画を立案するなど、細部での取り組みも強調している。 「この環境認証プログラムにより、FIAはモータースポーツ全体の持続可能性を測定し、さまざまな関係者に環境パフォーマンスの向上を奨励することができる」と、そのFIAでシニア・サーキット・スポーツディレクターを務めるマレク・ナワレッキ。 「彼らFIA ETRCは過去数年間でこの分野での大きな進歩を遂げており、FIAが定めた最高の環境基準を達成できたことをうれしく思っている。これは100パーセント持続可能なバイオ燃料への切り替えや、その後にシリーズの技術規則を開放してさまざまな動力源に対応させたこと。これは持続可能性に関連するトラックレースにおけるもうひとつの前向きな進展だ」 [オートスポーツweb 2024年08月03日]