保守的社会で自由を求めて。カンヌやアカデミー賞で注目された「ジョイランド わたしの願い」
パキスタンの都市を舞台に、伝統的価値観を持つ家族への愛と、自由な生き方への願いとの間で揺れる若い夫婦を描き、第75回カンヌ国際映画祭「ある視点」部門審査員賞&クィア・パルム賞受賞、第95回アカデミー賞国際長編映画賞パキスタン代表&ショートリスト選出を果たした「ジョイランド わたしの願い」が、10月18日(金)より新宿武蔵野館、ヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国で順次公開される。ポスタービジュアルと予告編が到着した。 「ジョイランド わたしの願い」予告編 パキスタンの古都ラホール。ラナ家の次男であり失業中のハイダルは、家父長制を重んじる厳格な父から「早く仕事を見つけて男児をもうけなさい」とプレッシャーを受けている。妻のムムターズはメイクアップアーティストの仕事にやりがいを見出し、家計を支えていた。 そんな中でハイダルは、就職先として紹介されたダンスシアターでトランスジェンダー女性のビバと出会い、そのパワフルな生き方に惹かれていく。すると穏やかに見えたラナ家に波紋が広がり……。
新鋭サーイム・サーディク監督の初長編となる本作。パキスタンでは少数の保守系団体より「LGBTQ+や、彼らとの恋愛を美化して描いた」ことが「品位と道徳に反する」とされ、その圧力に屈した政府が公開1週間前に上映禁止を決める。しかし監督や出演者が抗議活動を行い、さらにノーベル平和賞受賞者のマララ・ユスフザイやパキスタン系イギリス人俳優のリズ・アーメッドらが支援を表明し、禁止令を撤回に追い込んで上映を実現させた。 “それぞれの幸福がすれ違う”一家の運命を見届けたい。
「ジョイランド わたしの願い」
監督・脚本:サーイム・サーディク 出演:アリ・ジュネージョー、ラスティ・ファルーク、アリーナ・ハーン 製作総指揮:マララ・ユスフザイ、リズ・アーメッド 英題:JOYLAND/2022年/パキスタン/パンジャーブ語、ウルドゥー語/1.33:1/5.1ch/127分/日本語字幕:藤井美佳 配給・宣伝:セテラ・インターナショナル © 2022 Joyland LLC 公式サイト:https://www.joyland-jp.com