やりくり上手が貯金額より大事にするのは? 漠然とした「お金の不安」の解消法
「安いから」ではなく、「本当に欲しいから」買う
思ったより安いもの、通常より安くなっているものを見つけると、「ラッキー!」と買ってしまう経験は、だれにでもあるのではないでしょうか? 野菜やお惣菜などすぐに消費するものだったり、ずっと欲しかったもの、必要なものが安くなっていたりする場合は、確かに「ラッキー」です。 でも、多くは「安物買いの銭失い」になってしまうもの。つい余計なものを買ったり、安いものはそれなりの品質だったり、バーゲンで買った服がタンスの肥やしになったり......と、トクだと思って買ったつもりが、結局損をすることに。「最初から、いいものを買っておけばよかった」と後悔することもあるでしょう。 「私はお金がないから」「節約をしているから」とお金で損はしないようにと考えている人にかぎって、このパターンに陥りやすい傾向があります。 予算との兼ね合いを考える必要はありますが、妥協して安いものを3つ買うより、本当に欲しいものを1つ買ったほうが、使っていて気分がいいはずです。 「安い高い」に振り回されるのではなく、主体的にものを選ぶためには、つぎのような"マイルール"を決めておくといいでしょう。 ・「自分のすごく好きなもの」という視点でものを選ぶ。 ・"欲しいものリスト"をつくって、必要なときだけショッピングに行く。 ・本当に欲しいものは、妥協せず、お金ができてから買う。 ・値下げ品は「定価でも購入したいか?」考える。迷ったら一晩寝かせる。 ・部屋のなかやクローゼットに、使わないものは置かない。 「身のまわりに置くものは厳選する」と決めてしまえば、「安物買い」から卒業です。
ワクワクする“目的”をもって貯金する
貯金する目的でいちばん多いのは「ただなんとなく」という理由だそうです。 将来に備えることは大切ですが、目的がないと、なかなか貯まらなかったり、逆にいくら貯めても不安になったりするのではないでしょうか。 うまく貯金して、うまく使っている人たちは、貯金の「金額」よりも「目的」を意識しています。「老後の資金」「子どもの学費」などの"安心貯金"とは別に、思い浮かべただけで気分が高まってくる"ワクワク貯金"をしているのです。 「中古のマンションを買ってリフォームしたい」「ニュージーランドを旅したい」「ブックカフェを開きたい」というように、ワクワクしながらイメージを描いています。彼らは、お金は人生を楽しませてくれる「手段」で、「目的」があってこそ価値があるものだとわかっているからです。 貯金の「金額」より「目的」が大事な理由のひとつは、貯金をしている間、ずっとワクワクしていられるから。人は、それを「手に入れたとき」よりも、「手に入れると考えたとき」のほうが、脳の快感物質は多く分泌され、喜びは大きいといいます。また目的を意識することで、それを叶える方法が見つかりやすくなるからです。 たとえば「100万円貯めて短期留学する」より、単に「短期留学する」という目標にしたほうが、安く留学する情報、留学しながらお金を得る情報が集まってきます。国際線に乗って旅立つ日は、思ったより早くやってくるでしょう。 本気で「これは実現したい!」と思う目的があれば、あの手この手で手段を考えるもの。「お金が貯まらないからできない」では、永遠にできないのです。
有川真由美(作家)