「コンバーチブル」に「カブリオレ」に「ロードスター」に「オープンカー」! なんと8種類もある屋根空きクルマの呼び方の使い分けを整理した
●呼び名その4「ロードスター」
→スポーツタイプのふたり乗りオープンカー ロードスター(roadster)とは、もともとは「覆い(幌)のない、ひとりまたはふたり乗りで1頭立ての、そしてドアも省略した軽装2輪馬車」を意味する英語。現代では、軽量化を最優先したスポーツ志向の強いふたり乗りオープンカーが「ロードスター」と名乗る場合が多い。
●呼び名その5「スパイダー」
→主にイタリア車のスポーツタイプのふたり乗りオープンカー 形状と意味合いは上記の「ロードスター」とほぼ同じだが、イタリア車はロードスターではなく「スパイダー(spiderまたはspyder)」と名乗ることが多い。 語源は「地を這うような低いフォルムが蜘蛛を連想させた」「いや、幌の骨が蜘蛛の足みたいに見えたからだ」「いやいや、“スピードスター”がイタリア風に訛ったものだ」などの諸説があるが、正確なところは、いまとなっては不明である。
●呼び名その6「スピードスター」
→ロードスター以上にスポーティでスパルタンなふたり乗りオープンカー スピードスター(speedster)とは、speed(速度)+ster(~する人、~な人)ということで「高速な乗りもの」「俊足の人」「スピード狂」を意味する英語。オープンカーにおいては、ふたり乗りのスポーツタイプである「ロードスター」と似ているが、より装備が簡略化され、より軽量化も行われているガチなロードスタータイプのオープンカーが「スピードスター」を名乗ることが多い。
●呼び名その7「ドロップヘッドクーペ」
→カブリオレ/コンバーチブルの英国的な呼び方 カブリオレあるいはコンバーチブルなどの「快適性もあるオープンカー」の、英国式の呼び方。現在ではドロップヘッドクーペを自称する英国製オープンカーも少ないが、ロールスロイスはいまでも、古式ゆかしい「ドロップヘッドクーペ」という呼び方を採用している。
●呼び方その8「タルガトップ」
→ハードトップルーフのみ脱着可能なセミオープンカー ルーフ部分のパネルだけを外すことができるセミオープンカーのこと。そういったルーフ構造のクルマはもともとたくさんあったが、1966年から1970年まで、イタリアのタルガ・フローリオというレースで5年連続優勝を飾ったポルシェ911のセミオープン仕様が「タルガ」を名乗ったことで、この呼び方が定着した。 だが、のちにポルシェが「タルガ」という言葉を商標登録したため、他メーカーはこの呼び方を使うことができない。ホンダのS660もルーフ構造的にはタルガトップの一種だが、ホンダは「ロールトップ」と呼んでいた。 ということで、以上「オープンカーの呼び名各種」をいま一度整理してみた。とくに何かの役に立つという豆知識でもないが、何らかのタイミングでお役立ていただけたなら幸いである。
伊達軍曹