「僕と愛を引き離したい人がいたんじゃないかな」 失神バンドの栄光とその後 盟友の失踪脱退の真相は GS「オックス」ボーカルの真木ひでとさんインタビュー
協調性がなく変わり者だけど赤松愛は持ってるタイプ
ーーオックスと言えばひでとさんと赤松愛さんのツートップというイメージがあります。 ひでと:イメージ的には僕が陰で、愛が陽という感じでしょうか。愛は協調性が無くて変わり者なんだけど、持ってるタイプ。たとえば大阪のPLランドに出演した時、新幹線に乗り遅れちゃって、愛だけ伊丹空港からヘリコプターに乗って会場に来たんです。僕たちが3曲目を演奏している最中にステージの隣に降りてきたんだけど、ファンの人たちはそれを演出だと思って大興奮してる(笑)。 ーー愛さんはなぜ脱退したのでしょうか? ひでと:1969年3月に浅草国際劇場で「オックス・ショー」というイベントがあったんですが、その頃からそんな雰囲気を感じました。トレードマークだった茶髪を黒に戻して、一緒に居ても笑顔が無くなって……最後は5月5日の土浦市民会館公演の時に失踪して、そのまま脱退ということになってしまいました。理由は本人にしかわからないけど、結局はオックスの人気を恐れた人たちにそそのかされてしまったということなんだと思っています。 当時、グループサウンズブームはすでに退潮していたけど、後発のオックスにはまだまだ勢いがありました。誰がとは言いませんが、僕と愛を引き離せばその勢いを削ぐことができると思ったんでしょう。一緒に続けていればもっと違う展開があったんじゃないかと思うと悔しいですね。 ◇ ◇ 真木ひでと(まき・ひでと)プロフィール 1950年、福岡県田川市生まれ。1968年、オックスのボーカル・野口ヒデトとしてデビュー。『ガール・フレンド』、『スワンの涙』などのヒット曲を連発し、グループサウンズブームの一翼を担う。1971年ソロデビュー。1975年「全日本歌謡選手権」で10週勝ち抜き、『夢よもういちど』で演歌歌手として再デビュー。以降も数々のヒット曲を発表している。2020年、70歳を記念してオックス時代から最新録音まで全111曲を収録した5枚組CD集『陶酔・心酔・ひでと節!』をリリース。 (まいどなニュース特約・中将 タカノリ)
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