給料が「物価高」に追いつかない――“買える量”は減少 経済不安…学生の5人に1人「子ども欲しくない」【#みんなのギモン】
■実質賃金の減少幅は9年前に次ぐ大きさ
近野委員 「名目賃金について、前年比でどれぐらい増えたり減ったりしているかを示した折れ線グラフがあります。最新の2023年は少し減っているように見えますが、前年より1.2%増。増え方が小さかったと捉えてください。2021年からの3年間はプラスで推移しています」 「もう1つのグラフは、物価の影響を差し引いた実質賃金です。これが、前年に比べて2.5%減ってしまっています。2014年に消費税率が8%になった時に次ぐ、大きな減少幅を記録しました」 「つまり、給与の額面としては増えてはいるのですが、それ以上の物価高が進んでいるので、実際に買えるモノやサービスの総量としては減っているというわけです。どんなふうに感じているか、東京・新橋で聞いてみました」
■「パーンと上がってもらわないと」
飲食(40代) 「お給料が上がっても物価がどんどん上がっているので、あまり給料上がっているの感じない」 家具メーカー営業(20代) 「実際、支給額は上がっているのはリリースもあって見ていますが、スーパー行ってもそうですし、毎月の請求届くのがちょっと怖いですね」 法律事務所に勤務(50代) 「賃金が上がって良かったという実感もないですし、逆に物価の方が高いので大変です。もっとパーンと賃金上がってもらわないと。名目賃金。(実質賃金との)差は開いたままだと思います」 徳島えりかアナウンサー 「いやもう、本当にそうですよね。いまだに、スーパーでお会計すると『こんなに高いの?』とびっくりしてしまいますし、これからのことを考えるとお財布のひもは固くなる一方だなと思います」 近野委員 「物価の上昇そのものは全てが悪いというわけではありませんが、実質賃金に着目すると、生活必需品はとにかくお金となって出ていきますし、皆さん苦しい状況を実感されていると思います」
■学生「子ども欲しくない」…理由は?
近野委員 「次に、経済不安が人生観に影響しているのかについて。就職情報サイトを運営するマイナビの調査で、2025年に卒業する大学生や大学院生に聞いたところ、約5人に1人が『子どもは欲しくない』と答えたといいます」 「この調査は、10年前から行われていますが、これだけ多くの方がこう答えたのは初めてだそうです。もちろん、まだ子どもを持つこと自体が想像できないなど様々な理由が挙げられていますが、男子の58.4%、女子の48.7%は経済的な不安をその理由に挙げています」 澁谷善ヘイゼルアナウンサー 「私も、いつかは子どもは欲しいなと思っていますが、今はとにかく自分の生活と未来のことを考えて、その『いつか』って来るのかな、という不安がありますね」 藤井アナウンサー 「今、自分のことで精一杯という若い方はたくさんいらっしゃるでしょうが、その先の未来を早いうちに自分で描くということが、夢に近づく一歩だと思うので、その先を描けるような世の中になってもらいたいですね」