給料が「物価高」に追いつかない――“買える量”は減少 経済不安…学生の5人に1人「子ども欲しくない」【#みんなのギモン】
日テレNEWS NNN
厚生労働省が6日発表した統計によると、去年の額面給与は過去最高水準まで増えた一方、物価高がそれを打ち消している実態が浮かびました。マイナビの調査では、「子どもは欲しくない」と答えた学生は約5人に1人に上り、これまでで最多の水準となりました。 そこで今回の#みんなのギモンでは、「給料が物価高に追いつかない?」をテーマに、次の2つのポイントを中心に解説します。 ●物価高で「実質」減少? ●経済不安が人生観に影響?
■「名目賃金」と「実質賃金」に注目
近野宏明・日本テレビ解説委員 「せっかくお給料の額が増えても、物価高がそれを打ち消してしまうという、悲しい事態が数字の上でも裏付けられています。6日、厚生労働省が去年の毎月勤労統計を発表しました。これは全国各地で働いている人の労働時間や給与の額を毎月調査したものです」 「注目すべきは2つあります。給与としてもらった額そのままの『名目賃金』と、給与の額から物価の影響を差し引いた『実質賃金』です。それぞれ良いニュースと悪いニュースが含まれています。良い方からお伝えします」
■ベースアップやボーナス増で額面UP
近野委員 「名目賃金の速報値ですが、基本給や残業代などを合計した月の給与は平均で、32万9859円。前年より1.2%増えて3年連続の増加でした。細かく見ると、正社員など一般労働者は43万6849円、パートタイム労働者は10万4570円。この2つは過去最高の水準でした」 「どうして額面がアップしたのか。主な要因は、去年の春闘で基本給の引き上げ(ベースアップ)があったことや、賞与(ボーナス)などが増えたことが理由に挙げられます」 藤井貴彦アナウンサー 「私はバブル期直後に入社しているので、余韻が残っていました。その時はみんなとてもワクワクして生活していましたが、3年連続で月の給与が増加しているという実感が周りにないですね」 近野委員 「お給料が上がったことが全くワクワクに反映されていない状況が続いています。それでも、名目賃金の話だけを聞くとプラスの材料にはなっていると思いますが、そうもいかない話もあります」