楽天グループ、ドル建て永久劣後債で主幹事を指名-750億円規模
(ブルームバーグ): 楽天グループが米ドル建て永久劣後債の発行に向け主幹事を指名したことが分かった。5億ドル(751億円)規模を調達し、2025年に控える社債の償還資金を確保する。
発行するのは償還期限の定めがなく、発行から5年後に償還(コール)が可能になる永久劣後債NC5。発行条件は今週後半に決める予定という。非公開情報のため、事情に詳しい関係者が匿名を条件に明らかにした。
S&Pグローバル・レーティングの格付けが「BB」と投資適格を下回り、ハイイールド債に区分される楽天Gがドル債を発行するのは4月に続き今年3度目だ。ブルームバーグのデータによると、ハイイールド債のスプレッド(上乗せ金利)は07年来の低水準にあり、モバイル事業の赤字幅が縮小する楽天Gにとっても資金調達環境が改善しているかどうかを測る一つの試金石になる。
関係者によると、調達する資金は25年11月と同12月に初回コール日を迎える劣後債2本の償還や買い戻しなどに充てる予定だ。主幹事はモルガン・スタンレー、大和証券グループ本社、みずほフィナンシャルグループ、ゴールドマン・サックス・グループなどが務める。
楽天Gの広報担当者は、永久劣後債の発行はバランスシートの強化につながるとし、海外の市場環境が良いためドル建てでの発行を決めたと説明した。
開示資料によると、楽天Gでは25年に総額4000億円の普通社債も償還する予定となっており、同社はこれまで米ドル債の発行や資本増強など積極的な調達を実施してきた。11月にはみずほFGに楽天カード株の15%弱を1650億円で売却する資本提携も発表した。
(c)2024 Bloomberg L.P.
Takahiko Hyuga, Ayai Tomisawa, Finbarr Flynn