ハースF1小松礼雄代表、新人ベアマンのチームメイトは“経験豊富な”ドライバーとヒント「ルーキーふたりは抱えられない」
ハースF1はイギリスGPを前に、2025年シーズンにオリバー・ベアマンを起用すると発表した。現状ベアマンとコンビを組むこととなるもうひとりのドライバーは未定だが、かつてのようにルーキーふたりを抱えるということはないとチーム代表の小松礼雄は明言。起用を検討しているドライバーは「F1での経験をきちんと積んだ誰か」だと示唆した。 【動画】レッドブル、イギリスGPで特別カラーリング実施。今度は”テスト用迷彩”にインスパイア フェラーリ・ドライバー・アカデミー(FDA)に所属するイギリス出身の19歳ベアマン。今季はFIA F2に参戦しつつフェラーリのリザーブドライバーを務めており、サウジアラビアGPでカルロス・サインツJr.の代役としてフェラーリからF1デビューを果たし、7位入賞を果たした。 またベアマンはハースで昨年のメキシコシティGPで初のF1フリー走行出走を果たして以降、複数回にわたってFP1に参加。イギリスGPのFP1でもケビン・マグヌッセンのマシンに搭乗し、今後もハンガリーGP、メキシコシティGP、アブダビGPでFP1を担当してF1での経験を積む予定だ。 ただベアマンとしては、来季が初のF1フル参戦。ミック・シューマッハーとニキータ・マゼピンのルーキーふたりを起用した2021年とは異なり、ハースは経験を積んだドライバーとコンビを組ませることで、ベアマンの成長をサポートしたいと考えている。 イギリスGPの記者会見で、ベアマンの起用がチームメイト選択に与える影響について尋ねられた小松代表は次のように答えた。 「ええ、もちろん影響します。特に我々のようなチームにとって、ルーキーふたりを抱えることはできません」 「そのため、ルーキーであるオリー(ベアマンの愛称)を起用した以上、F1での経験をきちんと積んだ誰かを起用しようと考えています」 現在ハースに所属するニコ・ヒュルケンベルグは、来季ザウバー/アウディへ移籍することが決定している一方、ケビン・マグヌッセンは今季限りでハースとの契約が満了を迎える。 マグヌッセンはコース上の成績を向上させることで契約延長をつかみ取りたいと考えている。ただチーム側は、今季限りでアルピーヌを離れることが決まったエステバン・オコンと交渉していることを認めており、ザウバーのシートが危ういバルテリ・ボッタスも選択肢のひとつとして考えられている。 この3名はいずれも8シーズン以上F1を経験しており、そのうちオコンとボッタスはグランプリ優勝も経験している。 また小松代表は、ベアマンが現在のハースに「完璧にマッチしている」と起用理由を説明した。 「我々はかなり成長中のチームです。比較的新しいチームになります」と小松代表は言う。 「そして再スタートを切り、パフォーマンスを向上させています。見ての通り、オリーは非常に才能のある若いドライバーで、非常に強い頭脳を持っています。とても落ち着き、成熟していて、スピードがあり、チームプレーヤーでもあります」 「我々がチームとしてどのように前進していきたいかということにおいて、彼はまさに完璧なマッチングなんです」 そして小松代表は、F1フル参戦が決まった後のイギリスGP FP1でも、ベアマンが変わらずチームの目的を理解して走行を担当したと語った。 契約発表後、ベアマンのアプローチに変化はあったか? との質問に対して小松代表は次のように答えた。 「いえ、特にありません。それこそ、我々が以前メキシコで彼を初めてF1マシンに乗せたFP1で印象的だったことです」 「当時もちろん、彼はワクワクしていました。しかし彼は、このセッションがチームにとって何を意味するのか、何を達成しなければいけないのかというチームの目的を理解していました」 「もちろん、彼は可能な限り速く走ろうとしています。しかし、その全体像の中で、彼は非常によく状況を理解しています。以前はそれが印象的でした。それは今回彼が変える必要のないことです」 「彼は発表の後、母国の観衆の前でドライブできたことを喜んでいたはずですし、楽しんでいました。しかし基本的なアプローチはまったく同じでした」
滑川 寛
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