「これは悲しい」「残念だ」。サイゼリヤ、増収増益の好決算も優待を「突如廃止」。しかし、私が強く支持する理由。
さらに、「株主優待がなくなってソンをした」と感じる人もいるだろうが、株主なので食事券ではなく、配当や株価の上昇を望めば良い。それによってはるかに大きなリターンが望めるだろう。 ちなみに、サイゼリヤが株主優待に充てる金額にたいして、全体の増配額のほうが大きい。だから、持ち株数によって有利か不利かは分かれるだろうが、株主全体としてはメリットがあると判断できる。 なお、株主優待がなくなって、さらに期待する配当もなく、株価の上昇もなかったとしたら、それは株主の権利として取締役を選んだり、株主提案を提出したりすればいい。あるいは保有株を売却して、他の株式に乗り換えればいいだけだ。
ちなみに、株主を騙すわけではないが、ある意味で「なんとなく経営に納得してもらう」ために株主優待を発行するケースがある。株主も目に見える「券」とかクーポンやらをもらったら納得してしまう、というわけだ。なかには自社と無関係な券を配っていたケースもあった。 しかし、実際には、企業とは株主のものであり、株主は企業を通じて自身の資産を最大化させようとする。そのとき、株主優待という皮相的なものではなく、純粋に経営の巧拙でドライに判断されたほうが良い、と私は考える。その意味で、サイゼリヤの株主優待廃止決断と増配について、賛同と支援をしたい。
坂口 孝則 :未来調達研究所