<夢への軌跡~22年センバツ丹生~>あす初戦 「初の女子マネ」も期待 「粘り強いプレーを」 卒業生の林さん(72) /福井
熱戦が始まった第94回選抜高校野球大会で、大会第5日(23日の予定)に広島商と対戦する丹生。同校の卒業生で、越前町の町役場向かいにある「めん房 新月亭」の林恵子さん(72)は、野球部で初めてとなる女子マネジャーだった。後輩の甲子園出場に、「地道に努力してきた練習の成果を発揮してほしい」と活躍を期待している。【横見知佳】 林さんは中学時代までバレーボール選手だったが、大会中に膝をけがしてスポーツを続けることを断念。丹生に入学後、実家が営む飲食店に客として訪れた当時の野球部の監督に声をかけられたことがきっかけで、女子マネジャーとして入部することになった。 当時、女子マネジャーは珍しかった時代。林さんは「入部当初、『福井県内初の女子マネジャー』としてテレビや新聞から取材を受けたほどだった」と振り返る。部員からスコアの書き方を教えてもらったり、洗濯をしたり、サポートに徹していくうちに、「縁の下の力持ちとしてやりがいを感じ、野球が大好きになった」という。 念願だった母校の甲子園初出場に卒業生らは盛り上がっているといい、出場決定後に当時の主将と電話で話したときには思い出話に花が咲いたという。球場にも応援に駆け付ける予定で、「懐かしい人たちと話ができるのではないか」と楽しみにしている。「丹生の魂は粘り強さ。最後の一投、一打まで粘り強くプレーしてほしい」とエールを送った。