<速報>ダルvsマー君のメジャー初対決は互いに無失点の意地ドロー
メジャーリーグのヤンキース対レンジャーズ戦が23日(日本時間24日)ニューヨークのヤンキースタジアムで行われヤンキースの田中将大(28)とレンジャーズのダルビッシュ有(30)が初対決した。雨で試合開始時間が1時間40分遅れ、試合途中も雨が降るコンディションだったが、互いに無失点を守った素晴らしい投手戦。田中は8回を3安打9奪三振無失点、ダルビッシュは7回を2安打10奪三振無失点で降板。2人に勝ち負けはつかず、ピッチング対決で言えば質の高い内容での“引き分け”となった。 雨のニューヨーク。現地時間午後7時に試合開始予定だったが、雨が強くなり予報も悪かったためプレーボール時間が延期された。グラウンドにはシートが敷かれた。1時間が過ぎ、1時間40分遅れでの試合開始がアナウンスされ、ダルビッシュ、マー君が揃ってグラウンドに現れ、ウォーミングアップをスタートした。 2人の日本人メジャーリーガーの意地と意地がぶつかり合い、それが緊迫の投手戦に変わる。 先に大きなピンチを迎えたのはマー君だった。3回、先頭のルクロイにショートへの内野安打を許し、ナポリを四球で歩かせ無死一、二塁とされて、19本塁打の9番打者、ギャロを迎えた。だが、ここから粘りを見せる。ギャロをボールゾーンを徹底的に攻めてスライダーで三振。続くチュ・シンスにはスプリットを捕らえられ打球は三塁の右を強襲したが、トレイエスが体を張って好捕、併殺に仕留めた。マー君はガッツポーズ。 一方のダルビッシュは、相性の悪いガードナーに初回にセンター前ヒットを許したが、そこから打者12人をパーフェクト。スライダーのキレも最速156キロのストレートの威力も抜群で5つの三振を奪う。25本塁打で売り出し中のジャッジには115キロの抜いたカーブで三振、152キロのツーシームででショートゴロと封じ込んだ。5回一死からサンチェスにセンター前ヒットを許すが、続くグレゴリウズをツーシームでセカンドゴロ併殺打。ダルビッシュも、またグラブを叩き気合いを入れた。 7回をマー君が好守にも助けられて3人で終えると、その裏、ダルビッシュは三者連続三振。ジャッジは154キロのストレートでスイングアウト。ゼロ行進が続く。 田中は8回二死からルクロイにセンター前へ落とされ、ナポリに四球を与え一、二塁となったが、ギャロはセカンドゴロに抑えて無失点を守った。球数がちょうど100球に到達したため、マー君はここで降板。腕がよく振れていてスライダーのキレもストレートの伸びも上々で復活を印象づけるピッチング内容だった。 一方、7回を投げ、まだ88球のダルビッシュだったが、8回からは、2番手のシェパーズがマウンドへ。ダルビッシュは、7回を投げて2安打10奪三振無失点だった。 2人のNPB時代の対決は4度。ダルビッシュの2勝1敗だ。2011年7月20日以来のマッチアップとなったが、この試合に臨む心境は対照的だった。 「楽しみしている。その日がきた。こっちで楽しみにしていたことのひとつ」とマー君は素直に発言したが、ダルビッシュは「向こうは楽しみにしているのかもしれないけれど、こっちは勝たなきゃいけないから」と言う。田中は、7試合勝ちがない崖っぷちの状況にはあるが、ヤンキースは東地区首位。一方、ダルビッシュは、6勝5敗防御率3.35の数字を残しているが、レンジャーズは36勝36敗の勝率5割で首位のアストロズとは13ゲーム差をつけられている。置かれた状況の違いが、発言の違いにつながったのかもしれない。 だが、結果は、マー君が8回3安打9奪三振無失点、ダルビッシュが7回2安打10奪三振無失点で、2人共に素晴らしいピッチングをメジャーの舞台で競演した。 試合はレンジャーズが9回に2番手のチャップマンから足を絡めて一死一、三塁のチャンスを作り、打者、ベルトレのところで、ヤンキースのキャッチャー・サンチェスがチャップマンのインローのストレートをなんとパスボール。ベルトレは三振となったが、ボールが転々としている間に、三塁走者のアンドルスがホームインし均衡を破った。その裏、レンジャーズはストッパーのブッシュをマウンドに送ったが一死からガードナーがライトポール際に同点アーチ。試合は延長戦にもつれこんだ。 延長10回二死一、三塁から、この日は、守りでマー君を2度、助けたトレイエスがセンター前へサヨナラヒットを放ち、ヤンキースが2-1で勝利を収めた。