ポケモンとのコラボで注目の充電機器メーカー、世界一のモバイル充電ブランドは戦略的多角化で市場席巻なるか
ポケモンとのコラボレーションでは“ピカチュウ”デザインの充電製品4種を発表。「でんきタイプ」のピチュー、ピカチュウ、ライチュウという3種のポケモンを充電器に取り入れ、2023年から展開している。 アウトドアブランドのスノーピークとは、ガス燃料缶を模したデザインのモバイルバッテリーを共同開発。長寿命で安全性の高いリン酸鉄リチウムイオン電池を採用し、一般的なモバイルバッテリーと比べ約4倍の充放電サイクルを実現している。スノーピークの「ギガパワーランタン」と接続可能で、照明としても利用できるといった連携機能もある。
両社は2025年に向け、アンカーの「Solix」シリーズをベースにした大容量ポータブル電源とソーラーパネルの開発もアナウンスしている。 また、文具メーカーのコクヨとは「Anker Smart Pouch」を共同開発。アンカーのスマホ周辺機器を収納するために開発されたポーチで、モバイルバッテリーや完全ワイヤレスイヤホンがすっきりと入るようにインナーポケットが配置されている。フラップ部分を手前に折り曲げて自立させることもでき、整理整頓しやすい製品となっている。
■AIを広告制作に活用 アンカーはAI技術の活用もアピールしてる。ユーザーからの問い合わせ対応にはChatGPTベースの「Anker AI Assistant」を導入。問い合わせ対応を効率化し、1年で10万件に対応したそうだ。 広告制作でも画像生成AIを活用している。イヤホン製品の利用シーンの画像については、現実のモデルではなく非実在のモデルを活用。画像生成時に展開地域にあわせた想定ユーザーが描かれている。
モバイルバッテリーから始まったアンカーのフィールドは、家電、オーディオ、アウトドア用品にまで広がった。ユーザーニーズを捉えた製品開発と戦略的コラボレーションにより、同社は日本市場でも独自のポジションを築きつつある。生活のあらゆる場面で活躍するテクノロジーカンパニーとして、より身近な存在となっていくのではないか。
石井 徹 :モバイル・ITライター