上智大ラグビー部、創部70周年記念式典を開催。今年の目標は「対抗戦5勝」。
関東大学ラグビー対抗戦Bグループに所属する上智大学ラグビー部が、創部70周年記念式典を7月13日(土)に開催した。式典は上智大学四ツ谷キャンパス内で開催され、現役ラグビー部員をはじめ、OBOG、主に部員の保護者で形成されるサポーターズクラブ、大学関係者など約200人が集まった。 午前の部では、ラグビージャーナリスト・村上晃一氏による講演会を開催。「大学でラグビーをする意義とは」という主題のもと、ラグビーの成り立ちや大学ラグビーの価値について、約1時間に渡って実施された。 講演後は参加者からの質問が多く寄せられ、盛り上がった。質問したOBの奥野悠さんは、「勝ち負けの先にあるラグビーの価値に、改めて共感しました。現役部員は、所属するリーグに関係なく日本ラグビーの発展に向けて、型にはまらず行動を起こしてほしい」と話した。 午後からは記念祝賀会が開催され、年代に関わらず、多くのOBOGと現役部員が交流した。また、創部初期メンバーとして1961年に入部、のちに監督として部を率いた経験を持つ永戸康夫さんも来場。御年87歳の上智ラガーとして、現役の学生たちにエールを送った。 上智大学ラグビー部は1954年に創部。1997年にA、Bグループに編成された関東大学対抗戦のBグループに所属。2000年には初優勝を成し遂げ、2003年までには4回入れ替え戦に出場したが、いずれも青山学院大に敗れた。以降もAグループとの入れ替え戦出場を目指す日々が続く。現在は選手30名、学生スタッフ16名の総勢46名の部員で活動している。
上智は対抗戦で唯一、専用の人工芝グラウンドを持たない。四ツ谷キャンパスの隣に位置する「真田堀グラウンド」はかつて江戸城の堀だったため、文化財として行政の管理下にある。雨天時には使用ができない。また、大規模なトレーニング施設も学内になく、当初はフィジカル強化に出遅れたものの、2016年には九段下にあるフリーウエイトジム・ストレングス工房(JPフィットネス)と契約。ストレングスコーチ・大道泉氏のもと、強化を継続している。 トレーニングは朝の6時半から始まり、中には始発でやってくる部員もいる。ただ、自分たちの置かれた環境を言い訳にしない。その時の自分たちにできることを最大限にやる。上智に受け継がれている流儀のひとつだ。また、グラウンドについては、人工芝化に向けて大学と行政の交渉が続いている。 チームは大義として「応援されるチーム」「人としての成長」という2つを掲げている。この大義に沿って、小学校への訪問授業や、朝日新聞社主催の「はじめてのラグビー教室」への協力など、社会貢献活動にも部員が積極的に参加している。 70年目の今年、目標に据えたのは「対抗戦5勝」。9月の対抗戦開幕まで、あと2ヶ月を切る。祝賀会を終えて、共同主将を務める朝日大智、大田浩平は「これまでの歴史や伝統を肌で体感しました。上智を勝てるチームに導く、そして日頃の恩返しを果たす覚悟が改めて固まりました」(朝日)、「中には創部メンバーもいらっしゃって、70年という歴史の重さを感じました。積み上げてきた歴史に恥じぬよう、結果という形で70周年を飾ります」(大田)と話した。