老後はできるだけ年金だけで生活したいです。年金を「月20万円」受け取るには、どのくらいの納付が必要ですか? 給与からいくら天引きされていたら安心でしょうか?
「老後はできるだけ年金だけで生活したい」、と思われる方は多いのではないでしょうか。老後資金は「人生の三大資金」ともいわれ、一般には、老後は貯蓄を取り崩しながら生活するものだと考えられています。 例えば、「年金を月20万円受け取るには、どれくらい保険料を支払う必要があるのか?」と疑問に思われたことはあるでしょうか。本記事ではこの点について、保険料だけでなく年収も踏まえて解説します。シミュレーターを使った試算も行っていますので、ぜひ最後までお読みください。 ▼夫婦2人の老後、「生活費」はいくら必要? 年金額の平均をもとに必要な貯蓄額も解説
年金を月20万円受け取るにはどのくらいの収入が必要か?
将来受け取れる年金額を知るには、年金額をシミュレーションできるサイトを利用すると便利です。年金額をシミュレーションできるサイトの例として、厚生労働省の「公的年金シミュレーター」や三井住友銀行の「年金試算シミュレーション」などがあります。 厚生労働省の「公的年金シミュレーター」では「生年月日」「働き方・暮らし方(加入する年金の種類)」「年金加入期間」「年収」を入力することで「あなたの年金見込み受給額」を試算できます。 三井住友銀行の「年金試算シミュレーション」では「年齢」「就業開始の年齢」「就業終了の年齢」「現在の年収」などを入力することで「65歳以降のキャッシュフロー(年金受給額)」を試算できます。 厚生労働省の「公的年金シミュレーター」と三井住友銀行の「年金試算シミュレーション」で、それぞれの試算結果(年金受給額)が月20万円(年240万円)になるよう条件を調整したところ、例えば以下のような条件であれば年金受給額が月20万円程度になることが分かりました。 (1)厚生労働省「公的年金シミュレーター」 ●生年月日:1969年1月1日(55歳) ●働き方・暮らし方:会社員・公務員(厚生年金) ●期間:22歳から60歳まで ●年収:820万円 ●受給開始年齢:65歳 ●年金受給額:月20万3333円(年244万円) (2)三井住友銀行「年金試算シミュレーション」 ●年齢:55歳 ●就業開始の年齢:22歳 ●就業終了の年齢:60歳 ●現在の年収:1000万円 ●年金受給額:月20万4000円(年244万8000円) これらのシミュレーションはあくまで概算ですので、どちらが正しいとはいえません。むしろどちらも実際の支給額とは異なると考えるべきでしょう。とはいえ、イメージをつかむには役に立つと思います。シミュレーション結果からいえることは、年金を月20万円受け取るには、年収がおよそ820万円から1000万円くらい必要なのではないかということです。 シミュレーターによって年収に差が出るのは、過去の年収と将来の年収をどのように試算しているかによるのではないかと思われます。厚生年金受給額を計算するためには、加入期間全ての年収を考慮する必要があるからです。