老後はできるだけ年金だけで生活したいです。年金を「月20万円」受け取るには、どのくらいの納付が必要ですか? 給与からいくら天引きされていたら安心でしょうか?
年金を月20万円受け取るにはどのくらいの納付が必要か?
厚生年金保険料は保険料率が18.3%(折半だと9.15%)と決まっているため、納付額を自ら変更することはできません。毎月の給与からは「標準報酬月額×9.15%(自己負担分)」が、賞与からは「標準賞与額×9.15%」が差し引かれ、納付されます。 例えば、年収820万円の場合、納付する厚生年金保険料は年間でおよそ75万円(≒820万円×9.15%)ほどでしょう。年収1000万円であれば、納付する厚生年金保険料は年間で91万5000円(=1000万円×9.15%)ほどであると想定されます(実際の保険料は、毎月の給与と賞与の割合などによって変わります)。 ただし、先述のとおり厚生年金保険料を自分でコントロールすることはできません。将来受け取れる厚生年金を増やしたいからといって、保険料を増やすことはできないのです。 将来受け取る年金を増やす手段としては、私的年金などを利用するのが妥当でしょう。将来受け取れる年金がいくらで、いくら足りないのかについては、本記事で紹介したシミュレーターや「ねんきん定期便」などが役に立つでしょう。
まとめ
本記事では、年金を月20万円受け取るためには、どれくらいの年収で、どれくらい保険料を支払う必要があるのかについて、解説しました。シミュレーターを使った試算から、年収は820万円から1000万円で、保険料は75万円から91万5000円ほどではないかという結論になりました。 とはいえ、この結果を受けて、ご自身の厚生年金保険料や将来の厚生年金受給額をコントロールすることはできません。将来受け取る年金額を増やしたいのであれば、私的年金などを利用するのがよいでしょう。 ただし、年金額を増やすことや貯蓄を増やすことを考えるだけでなく、老後、どのようにお金を使うのかについても考えていただくとよりよいのではないかと考えます。 出典 厚生労働省 公的年金シミュレーター 株式会社三井住友銀行 年金試算シミュレーション 日本年金機構 令和2年9月分(10月納付分)からの厚生年金保険料額表(令和6年度版) 執筆者:中村将士 新東綜合開発株式会社代表取締役 1級ファイナンシャル・プランニング技能士 CFP(R)(日本FP協会認定) 宅地建物取引士 公認不動産コンサルティングマスター 上級心理カウンセラー
ファイナンシャルフィールド編集部