【社説】「早くあらかじめ」強調した現代自動車外国人CEOの省察
現代(ヒョンデ)自動車次期代表理事に内定した同社グローバル執行責任者(COO)兼北米ブロック本部長のホセ・ムニョス社長が「激変の時代を『パリパリ、ミリミリ(早く、あらかじめ)』の精神で柔軟に対応する」と話した。ムニョス社長は21日、オートショーが開かれた米ロサンゼルスでのメディアインタビューで「現代自動車の特徴のひとつが『パリパリ(早く早く)文化』だが、ものすごい強みだ。私はこれを『パリパリミリミリ文化』へと発展させ、この精神を活用し続けるだろう」と強調した。パリパリは高度成長の原動力だったが、ずさんな工事に象徴される副作用を生んだりもした。このために各種規制もできた。だがトランプ次期米大統領の就任を控え世界の産業界の不確実性が大きくなった上に人工知能(AI)など核心技術は秒単位で進化している。ムニョス社長の言葉通りミリミリ準備するならばパリパリは途轍もない競争力だ。 いま与党「国民の力」が半導体研究開発分野で週52時間労働の例外を置く半導体特別法案を発議したが野党「共に民主党」は否定的だ。現在の水準でうまくやってきたというのは安易な考えだ。こうした規制を取り払わなければ企業があらかじめ備えることも、スピードを出すこともできない。古い観念のために自分たちが持っている長所を自ら放棄しているのではないか振り返ってみなければならない。 海外人材も幅広く登用する必要がある。スペイン出身でトヨタや日産などで勤務経験があるムニョス社長は2019年に現代自動車に合流し米国市場で存在感を拡大するのに貢献した。第2次トランプ政権を迎えて米国市場に明るい外国人を代表理事に抜てきしたのは破格な先制措置と評価できる。輸出で生きる国が純血主義に固執すれば世界市場で生き残りにくい。テスラのイーロン・マスク氏(南アフリカ)やエヌビディアのジェンスン・フアン氏(台湾)の事例で見るように、米国は出身地に関係な最高の人材が革新を主導する。韓国はフース・ヒディンク氏のようなサッカー国家代表監督に続きようやく大企業CEOを登用した程度だ。 ムニョス社長は鄭義宣(チョン・ウィソン)現代自動車会長が「韓国で働く時間がもう少し多かったら良いだろう」と頼んだ事実も紹介した。彼は「今後韓国で70%、米国など他の大陸で30%を過ごすことになりそうだ。役員社員と同じ線上で理解する同期化が重要だ」と話した。外国人CEO成功の可否は個人の能力の問題でもあるが、これを受け入れる国内の環境と雰囲気も重要だ。外国人CEOの観点と疎通方式が常に受け入れられない場合もある。周波数はともに合わせていかなくてはならない。グローバルスタンダードに基づいた開放的な態度が必ず必要な理由だ。現代自動車とムニョス社長の新しい実験が国内の他の企業にも新鮮な刺激になることを期待する。