移籍大成功!? 新天地で輝く欧州日本人6人。新たな舞台で早くも認められているのは?
FW:大橋祐紀
生年月日:1996年7月27日(28歳) 所属クラブ:ブラックバーン(イングランド) 24/25リーグ戦成績:13試合4得点0アシスト 大橋祐紀は今年夏にサンフレッチェ広島からイングランド2部のブラックバーンに加入し、すぐに結果を残している。 2024シーズンのJ1リーグで22試合に出場して11得点3アシストを記録し、ヨーロッパの扉を叩いた大橋は、新天地を踏んで間もなく躍動。特にスタートダッシュが見事で、イングランド2部リーグ開幕戦のダービー・カウンティ戦で得点を決めると、ここからカップ戦を含めて公式戦3試合連続ゴールを挙げ、早くも現地の信頼をつかんだ。 第5節のブリストル・シティ戦では、1試合2得点の活躍でチームの勝利に貢献。この活躍がサッカー日本代表の森保一監督の目にも留まり、10月シリーズで初めてA代表に招集された。出場機会は訪れなかったものの、クラブで実力の高さを示し続けた成果と言えるだろう。 しかし、全てが順風満帆というわけではなく、前述のブリストル・シティ戦のあとは得点から遠ざかっているのは気がかりだ。 英メディア『Vavel』は0-2で敗れた第13節シェフィールド・ユナイテッド戦の選手採点の記事で、大橋に10点満点中4点の低評価を付け、「交代前に決定機が2度あったが、中央へのパスを通せず、直後に訪れたシュートも枠内に飛ばせなかった」と記した。 厳しい評価は期待の表れと捉えることもできる。加入直後に強いインパクトを残しただけに、大橋への期待は高まっているようだ。それでもリーグ戦4得点はブラックバーン内でトップのゴール数で、イングランドで輝きを放っていると言っていいだろう。
GK:鈴木彩艶
生年月日:2002年8月21日 所属クラブ:パルマ(イタリア) 24/25リーグ戦成績:10試合12失点 サッカー日本代表のGK鈴木彩艶は、今年夏の移籍市場でベルギーのシント=トロイデンからイタリアのパルマに加入した。 かつてマンチェスター・ユナイテッドからの関心も話題になった鈴木は、シント=トロイデンで経験を積み、750万ユーロ(約12億円)の移籍金でパルマに加入した。「守備の国」イタリアで、同国のレジェンドGKジャンルイジ・ブッフォンを輩出したパルマに日本人の守護神が迎えられたこと自体が快挙と言えるだろう。 鈴木はパルマで開幕戦からレギュラーとして起用され、鋭い反射神経と驚異的な身体能力でファインセーブを連発。速攻の起点となるスキルも高く評価されている。 第11節のジェノア戦では好守が光り、『ガゼッタ・デッロ・スポルト』でチーム最高タイの6.5点という評価で「彼がいなければもっと失点していただろう」と称賛された。 一方で、課題を指摘する声もある。第3節ナポリ戦の退場はその代表例だ。警告を受けた状態でペナルティーエリアを飛び出し相手選手と交錯してレッドカードを受けたが、交代枠を使い切った後だったため、冷静な判断が求められる場面でリスクを冒したとして批判を受けた。 第10節のユヴェントス戦ではファインセーブもあったが、終了間際にクロスボールをファンブルし、味方のカバーがなければ勝ち越し弾を許していたシーンがあり、「チームの頑張りを台無しにするところだった」と地元メディア『ParmaLive』の選手採点で最低点を付けられた。 日本人のGKがヨーロッパ主要リーグのチームでレギュラーを務めていることは歴史的な出来事であり、今後のさらなる成長が期待される。