ディーノ以来の大進化! 360 モデナ/スパイダー/チャレンジ・ストラダーレ(1) 想像以上に優しいフェラーリ
想像以上にドライバーへ優しい360 モデナ
ドアは広く開き、リブが入った快適なシートへ座りやすい。着座位置はF355より高め。フォレスターのクルマはF1マティックで、ステアリングホイールの奥に、コラムへ固定されたカーボン製パドルが見える。 左側がシフトダウンで、右側がシフトアップ。両方同時に引くと、ニュートラルに入る。リバースは、センタートンネルの小さなレバーを倒す。その横のボタンを押せば、完全なATとして扱える。 ドライバーの正面には、5枚のメーター。中央の回転計は8500rpmからレッドラインで、速度計は時速200マイル(321km/h)まで振られている。 運転姿勢は、古いイタリア車へ想像するものとは違う。ステアリングホイールはほぼ垂直に伸び、チルト(上下)とテレスコピック(前後)の調整が可能。人間工学に配慮され、快適なポジションに落ち着ける。ペダルは左へオフセットし、慣れが必要だ。 インテリアは質素でも、仕上げ水準は高い。フェラーリは、シート後方にゴルフバッグを1つ積めると主張していた。フロント側にも、小ぶりな収納がある。 シルバーストン周辺に広がる公道を走らせれば、360 モデナの扱いやすさは瞭然。市街地の速度域で、想像以上にドライバーへ優しい。小回りは良く効き、穏やかにパワーを引き出せる。 唯一、F1マティックはぎこちない。低速域でのオート・モード時は、僅かなシフトショックが生じる。変速タイミングに合わせて、アクセルペダルを少し緩めれば解消できるが。 この続きは、フェラーリ360 モデナ/スパイダー/チャレンジ・ストラダーレ(2)にて。
サイモン・ハックナル(執筆) マックス・エドレストン(撮影) 中嶋健治(翻訳)