トランスジェンダーの“吹き替え”どうする?…報道局員が考える「多様性」の伝え方
■「多様性を伝える」ということ
◯NY支局長・末岡寛雄: まだ正解は分からないんだけれども、「多様性は意思決定の精度を上げる」と誰かが話していた言葉がすごく心に残っているんです。議論した上で出す結論と、ひとりが何も考えずに出す結論って、そこは絶対違うと思うので、こういった議論を今後も続けていきたいなと思います。 ◯ファシリテーター・白川大介: 私は今回の吹き替え問題を、「意義のある議論だから」って言って、こうして座談会としてコンテンツ化していること自体が、多様性との向き合いの中で、すごく大きな変化だなと思っています。これまでって、我々はあまり身内の議論を表に出すことはしてこなかったじゃないですか。でも表に出すことによって、それこそ鈴木さんが、5秒しか表示されない字幕を、今も後悔するほど悩んで考えて作っていたこととかを、世の中の人に知ってもらえるかもしれない。そうしたら、視聴者の皆さんとの距離も変わるんじゃないかって思うんです。
「私たちはこんな風に考えているんですけど、視聴者の皆さんも一緒に考えてくれませんか?皆さんはどう思いますか?」っていうスタンスになっていけたら、「新しいニュースの作り方」になるんじゃないか。今、ワクワクしながら、そうなるように期待しています。