「タカ派過ぎて心配」「自分で思っているほど好かれていない」 自民党総裁候補、アメリカ政府関係者らの本音
ハリス氏は、石破氏を河野氏と比較し、2人とも日本製鉄のUSスチール買収を防ごうとする保護主義的決定に批判的であることを指摘した。2人とも「ノーと言える日本」を象徴している。 石破氏は、特に第2次トランプ政権下でのアメリカの信頼性について、日本で広く抱かれている懸念をより率直に反映している。「石破氏とトランプ氏が一緒になって負担の分担について話すのは、興味深い会話になるだろう」と元高官は言う。「彼は得るものすべてを与えるのではないか」。
旧安倍派閥のもう1人の候補者である小林氏は、ワシントンで関心を集めており、第2候補として浮上する可能性があるとの見方もある。高市氏に比べれば好意的に見られている。 小林氏は「非常に聡明で、コミュニケーション能力に優れ、アメリカでの経験もある」と元高官は話す。「彼は若く、興味深い人物で、おそらくアメリカ政府とも一緒に仕事ができるだろう。首相になれば本当に決断を下すことになる人物だ」。経済安全保障に対する小林氏の関心の高さは、アメリカの政策立案者の間でも高く評価されている。
■進次郎氏についてはどう思っているのか 最後の有力な選択肢は、世論調査で現在最有力候補となっている小泉進次郎氏である。同氏は明らかに人気があり、傷ついた自民党のイメージを回復させる最大のチャンスになる可能性がある。外交政策についてはほとんど語っておらず、政治改革と企業家主導の成長促進という内政問題にほぼ全力を注いでいる。 進次郎氏はアメリカの政策界ではよく知られている。コロンビア大学大学院で学んだ後、ワシントンのシンクタンク、戦略国際問題研究所で貴重なインターンシップを経験し、ベテランの日本同盟マネージャー、マイケル・グリーン氏と緊密に仕事をした。しかし、彼の経験不足と政策観には疑問がある。
「彼はあまり政策に深入りしない」と元高官は話す。「有権者には魅力的な人物を選んだと思われるだろうが、彼は本当にこの仕事をこなせるかは見ものだ」。 とはいえ、進次郎氏と石破氏、高市氏の決戦となれば、ワシントンの専門家たちは若い政治家を推すだろう。麻生太郎氏や菅義偉氏のような自民党の重鎮の後ろ盾があり、党内をまとめることができるからだ。 アメリカの日本担当者にとっては、国際情勢においてより積極的な役割をはたし続けることのできるリーダーを持つことが最重要課題なのだ。