「この三角マーク、どんな意味ある?」ホンダ車にしか付いていない、フロントガラスに記された三角印の意外な効果とは?自動車ライターが解説
自動車のガラスは安全にも関係するので厳格に品質が規定されていて、その内容についてガラスの端に明記されている。自動車メーカーのロゴなどとともに記号が羅列されているのがそれだ。 ⇒【関連写真】「この出っ張り、いったい何?」ドアミラーの付け根…ほか “トヨタ車にほぼ付いている”小さな突起の効果を自動車ライターが解説 これはガラスに限らず、工業製品でよく見かけるものだ。よく見ると、それ以外にもガラスにはいろいろなプリントがされていて、それぞれうんちくがあったりする。
前後ガラスの“黒セラ”の目的
まず紹介したいのが、前後ガラスの黒い部分。外周が真っ黒で、内側に行くに従ってドットになっている。これ、ちゃんと名称があって、黒セラミックと呼ばれ、プロの間では黒セラと略されたりする。 目的はデザインだけでなく、日差しのカット。乗っている人が眩しくないようにするためと、現在のクルマはガラスを接着しているので、その部分に日が当たって劣化しないようにするためという目的もある。さらにその黒セラのところに線が入っていることが多いが、これは貼り付けるときの位置決めとして入れられている。
ホンダ車に付いている“三角印”の意味
そして、ホンダ車だけに付いているのが三角印で、一見すると意味はまったくわからない。線のように位置決めかと思いきや、なんと安全運転に関係している。 その効果とは車幅感覚の向上で、狭い路地などでボディサイドをこすったりするのを防ぐのに効果を発揮する。ポイントは三角印を目線のあたりに付けることで、その結果、視線の乱れが抑えられて、車幅がつかみやすくなるという。 ホンダによれば、車幅感覚をつかむのが上手・下手は視線の移動にあって、上手な人は左右水平に動いて、下手な人は上下左右に乱れるという特徴があるため、三角印で乱れを抑えている。小さな印でそんな効果があるのかと思ったりするもするが、実地の試験では車幅感覚の向上が見られたという。意識しないでも運転がうまくなるというのは、とてもありがたいこと。日本人らしい細かい工夫と言っていいだろう。 文・撮影/近藤暁史
MonoMaxWeb編集部