【あつたnagAya】年間700万人の熱田神宮参拝客を呼び込めるか? 「亀屋芳広」「妙香園」など熱田創業の有名店が結集 味わうだけじゃない記憶に残る体験も “にぎわい”創出に地元も期待
店頭でお茶を炒って50年以上。今では多くの人にとって思い出の場所にもなっているといいます。 妙香園 田中良知社長: 「小さい頃、おばあちゃんに連れられてきたとか、うちに帰るとこのお茶が置いてあったと言ってもらえる」
そんな妙香園が「あつたnagAya」出店にあたって力を入れたのは、自社の石臼でひき、1時間でわずか40グラムしかできない貴重な「抹茶」。そのまま抹茶として味わってもよし、ラテで気軽に楽しんでもよし、お茶屋ならではの深みのある味わいが堪能できます。
さらに、この抹茶の点て方を学ぶワークショップも実施。狙いは、駅から降りて30秒で受けられる「おもてなし」です。
32年前に頓挫した再開発計画… 新観光スポット誕生で“にぎわい”創出に地元も期待
今回取材した3人の店主は全員、熱田生まれの熱田育ち。「あつたnagAya」が周辺の観光地をめぐる拠点になってほしいと考えています。 亀屋芳広 花井芳太朗社長: 「もしかしたら最大のチャンスがきているかもしれないと思っている」 妙香園 田中良知社長: 「熱田神宮だけで年間730万人の参拝者がいる。この人が街の魅力を深掘りして、歩いてまわっていただけるような、そんな空間に熱田がなれば」
三種の神器「草なぎの剣」がまつられる熱田神宮。インバウンド需要もさることながら、年間約700万人以上の参拝者が訪れます。これは名古屋城の入場者数の4.6倍。 この参拝者を街に呼び込み活性化につなげるチャンスなのですが、神宮周辺を歩いてみると、商店街の老朽化がすすみ、人はまばら…。熱田区の住民に地元の観光地を聞いてみても「なかなかないと思います。金山に行くしかない」という答えが。 同じく年間約700万人が訪れるという三重県の伊勢神宮周辺は、相変わらず賑わっています。
熱田区には「七里の渡し」などの観光スポットはありますが、熱田神宮の700万人の参拝客を周辺の活性につなげられていないことが長年の課題でした。 実は、約30年前に再開発の計画があったのですが、一部の住民から反対の声があがり頓挫。市が再開発目的で購入した7000平方メートルもの土地は、立ち入り禁止の"もったいない場所"になってしまいました。これが32年間も塩漬け状態になっているというのです。 空から見ると区役所の横、駅そばの好立地がぽっかり空いたままになっているのがよくわかります。 現在では住民からも「ずっとあのままなのでもったいないと思う」「せっかく熱田神宮があるんだから人が集まる物ができるといい」という声が上がっています。