【ひとり親家庭の教育費】どう考えていけばよい?利用できる支援制度や条件も解説
【貸与型奨学金】 上の見出しで紹介したJASSOの給付奨学金のほかに、貸与奨学金(返還が必要)もあり、「第一種奨学金(無利子)」と「第二種奨学金(有利子)」があります。 まずは、返還する必要のない給付型を検討し、利用できない場合は無利子で借りられる第一種奨学金、その後有利子の第二種奨学金という順番で検討していきましょう。第一種であれ第二種であれ、奨学金の採用の判断には「学力」と「家計」の基準を満たす必要があります。 たとえば、第一種の要件は、高校3年間(申請が3年生の4~7月頃なので、実質2年生まで)の成績が5段階評価で3.5以上であることです(例外あり)。そのため、大学進学を視野に入れ奨学金を検討するのであれば、高校入学時点から準備が始まっているといえるでしょう。 貸与奨学金は、お子さまが返還していく必要がありますので、利用の際には保護者のかたとお子さまでよく話し合って決めることが大切です。
【奨学金の返還支援制度】 地方公共団体には、奨学金の返還支援制度を設けているところもあります。地方公共団体が指定する地域企業へ就職するなどの要件を満たすと、地方公共団体が奨学金の全額または一部を支援してくれる制度です。 また、企業独自の支援として、就職などの要件を満たすと奨学金の返還を支援してくれるところもあります。JASSOのサイトに奨学金返還支援制度のある地方自治体や企業の一覧(一部)が掲載されているので、気になるかたはのぞいてみてください。
ひとり親家庭が利用できる支援制度
ひとり親家庭のかただけが利用できる支援制度もあります。ここでは「母子父子寡婦福祉資金貸付金制度」と「国の教育ローンの金利優遇制度」をご紹介します。 【母子父子寡婦福祉資金貸付金制度とは?】 母子父子寡婦福祉資金貸付金制度とは、ひとり親家庭が利用できる貸付金制度のことです。貸付金の種類は12種類あり、その中に「修学資金」と「就学支度資金」があります。 貸し付けの申請は、各自治体や取り扱い団体で行います。まずは、お住まいの自治体ホームページを確認してみましょう。面談等が必要になる場合が多いため、資金が必要になる数か月前からの準備が必要です。 大学の進学資金が必要であれば、秋頃から推薦入試の出願が始まりますので、できれば高校3年生になるころからお子さまと相談をして、準備を始めてください。 【国の教育ローンの金利優遇制度】 日本政策金融公庫の教育一般貸付(国の教育ローン)についても、ひとり親家庭の場合は、金利と保証料の優遇制度があります。2024年7月時点では、固定金利2.00%(通常は2.40%)。保証料は通常の1/2になります。 上記の2つはあくまでも返済義務がある貸付制度です。 まずは、給付型の奨学金や減免措置を利用し、それでもお金を借りる必要がある時に利用しましょう。貸付制度を利用する際は、できるだけ無利息で、それが難しい場合も金利の低いものを選ぶのがポイントです。