“高くて開けた場所”は要注意…もし「雷」が鳴ったら私たちが気を付けるべきことは?
手島千尋アナウンサーがパーソナリティを務めるTOKYO FMのラジオ番組「防災 FRONT LINE」(毎週土曜 8:25~8:30)。8月24日(土)の放送では“夏の雷”について取り上げました。
都心では8月21日(水)に天気が急変し、東京・港区に記録的短時間大雨情報が出されるほど猛烈な雨が降りました。積乱雲が生まれやすい夏は、天気の急変とともに落雷による被害が発生しやすくなります。 気象庁が発表している“落雷による被害報告件数”を月別で見てみると、7~8月が全体の53%を占めています。これは、気温が上昇する夏に上昇気流が発生しやすいためです。また、前線の接近に伴って上昇気流が発生する場合もあり、その際は内陸部や太平洋側を中心に雷が多く発生する傾向にあります。 雷は高い場所に落ちやすく、開けた場所は特に危険です。例えば、山の頂上や海、キャンプ場、ゴルフ場などが挙げられます。もしゴルフ場にいるときに雷が鳴ったら、ゴルフクラブなどを高くあげたりしないようにしましょう。また、急な雨によって木のそばや家の軒下に雨宿りする場合もありますが、雷が木などに落ちたとき、近くにいると被害を受ける可能性があります。 避難場所として安全なのは車や鉄筋コンクリートの建物です。金属で囲まれた空間が安全な理由は、雷が落ちても電気が周囲を通って地面に流れ込むため。ただし、雷がコンセントやテレビ線などを通ることもあるので、室内では壁や柱などから1メートル以上離れたほうが安全です。近くに車や建物がない場合は、木の幹や枝先から4メートル以上離れてしゃがみましょう。 外にいるときに雷が鳴り、周りに逃げ込む場所がない場合は、最終手段として“雷しゃがみ”をしましょう。雷しゃがみとは、両足を揃え、膝を折って姿勢を低くし、つま先立ちをして地面と接地面を少なくして身を守る方法です。なぜ両足を揃えるかというと、足を広げると体のなかに電気が通りやすくなってしまうからです。また、その場から動く場合は“雷の音が聞こえなくなってから30分後”と覚えておきましょう。 気象庁では、落雷などが予想される場合に“雷注意報”を発表しているほか、雷の規模や発生の可能性を4段階で色分けしている「雷ナウキャスト」で1時間後までの予測を10分おきに更新しています。この時期は特に外出する前日から天気予報を確認し、そのなかで「大気の状態が不安定」「雷を伴う」という言葉が使われていたら警戒するように心がけましょう。 (TOKYO FM「防災 FRONT LINE」2024年8月24日(土)放送より)