[特集/プレミア戦線異常アリ 04]TOP4に食い込むか!? 上位戦線をかき回すダークホースはこの3クラブ
堅守速攻のフォレストは多少のことでは崩れない
一昨年にプレミアへ昇格し、初年度16位、2年目の昨年は17位。連続して残留は果たしたが、これまでのノッティンガム・フォレストは選手の入れ替えが激しく落ち着きがなかった。実際、成績も振るわなかった。 ところが、今季は10節を終えた段階で5勝4分1敗と良いスタートを切った。その後にやや勢いが衰えたが、15節マンチェスター・ユナイテッド戦に3-2で競り勝ち、CL出場圏内をうかがう5位につけている。今季のフォレストは“なにか”をやってくれそうである。 チームを率いるのは昨季途中に就任したヌーノ・エスピリト・サントで、守備を意識した[4-2-3-1]で戦い続けている。強度の高いしっかりとした守備組織から、ボールを奪ったらシンプルに攻める。4節リヴァプール戦に1-0で競り勝ったが、このときの決勝点にフォレストのスタイルが表れていた。 劣勢が続く72分、ボールを持った相手を追いかけて1トップのクリス・ウッドが自陣PA付近まで下がって守備をする。その流れでCBのニコラ・ミレンコビッチがボールを奪い、モーガン・ギブス・ホワイトを経由して右サイドのアンソニー・エランガにボールが渡る。スピードのあるエランガが縦にボールを運び、逆サイドのカラム・ハドソン・オドイへパス。左サイドからカットインしたハドソン・オドイが右足ミドルシュートを決めたのだが、ボールを奪ってから約15秒で決まった良質なカウンターだった。 左右のワイドに配置されるエランガ、ハドソン・オドイ。トップ下で攻守をつなぐギブス・ホワイト。そして、1トップを務めるウッド。今季のフォレストは各選手が適材適所で自分の能力をノビノビと発揮している。最終ラインでは新加入のミレンコビッチ、アレックス・モレノらが堅守を支えており、15節を終えて失点18。これは、リヴァプール、アーセナルに次いでリーグで3番目に少ない数字となっている。 こうしたチームスタイルに合ったウッドが1トップにいるのが好調の要因になっている。強さ&高さがある“9番”タイプのウッドはニュージーランド代表でも攻守両面で身体を張った献身的なプレイをみせる。少ないチャンスをモノにする決定力もあり、昨季は31試合14得点だったが今季はすでに15試合10得点だ。ウッドの得点数が増えるのに比例して、フォレストの勝点も伸びていくだろう。 11節ニューカッスル、12節アーセナルに連敗したが、今季のフォレストはズルズルとはいかなかった。13節イプスウィッチ戦にウッドが決めたPKを守り切って1-0で勝ち、15節マンU戦には点の取り合いのすえ3-2で競り勝っている。劣勢や苦戦には耐性があるだけに、少々のことでは崩れない。フォレストはまだまだ上位戦線をかき回しそうだ。