虎のソナタ トラ番に球児監督ファン日々急増! 選手、スタッフへの声掛け多く感銘
阪神秋季キャンプ(8日、高知・安芸)「鵬程万里 果てもなき 太平洋の 岸の辺に…」 藤川監督の母校でもある名門・高知商高の校歌の歌い出しだ。兄弟バッテリーで話題を集めた1997年夏、2年生エースだった現監督も甲子園で勝利した際に歌ったと思う。 「黒潮かおる 自由の土佐に 萌えたつ緑の 鷲尾嶺こえて…」 こちらは県下屈指の強豪・高知高の校歌の冒頭。同校野球部OBでもあるトラ番・中屋友那は、甲子園では惜しくも歌えなかったが、いろんな大会で何度も口ずさんだはず。 南国・土佐といえば、必ず「太平洋」であり「黒潮」。校歌にも、日常会話にも、街の看板にも、定番のフレーズは氾濫している。 阪神のキャンプ地・安芸に行くと、特に心に響く。球場の三塁側スタンドに腰掛けると、目の前のグラウンドには泥まみれの選手たち。その先に目を移すと、水平線がクッキリ、太平洋が広がっている。そして黒潮が押し寄せる(ように見える)。 昔の阪神キャンプの定宿のキャッチフレーズが「太平洋がまあるく見える」。確かに、キャンプ地からは太平洋が丸く見えるから不思議だ。 「実は、高知に来たのが初めてなんです」 意外な事実を明かしたのは邨田直人だった。トラ番就任して2年目の秋。昨年は侍ジャパンに森下が〝参戦〟していたから、安芸に来ることはなかった。 サッカー担当として欧州、中東、中央アジアを渡り歩いた男にとっても、初体験の「安芸」。昔は「タイガータウン」と呼ばれたんやで(今は誰も呼ばなくなったけれど)と伝えてみたが、ピンとこない様子だった。 「いろんな事前情報は耳に入っていたのですが、こんな坂道だらけのキャンプ地だとは…。想像以上にしんどいです。でも、取材を終えて夕刻に、車で国道55号線を西へ向かって走ると、オレンジ色のサンセットが美しすぎて。キレイな場所ですね」 読者のみなさま、どうですか? 一度、行ってみたくなりませんか? キャンプ地は、すぐ近くを選手が通ったりする。シーズン中とは違って、選手との距離は圧倒的に「近い」のだ。 邨田がキャンプ地内を歩いていたら、色紙を持った少年が近寄ってきた。