ライフハッカー・ジャパンの書評家が選ぶ、2024年の名著10選
6位『読書が苦手だった司書が教える 世界一かんたんな図書館の使い方』(つのだ由美こ 著、秀和システム)3月26日
大学図書館司書である著者は冒頭で、いま図書館はあまり人気がないことを認めています。 自身も本を読むのが苦手なので、そういう人の気持ちはよくわかるというのです。共感できるのは、そういった立場を軸として「図書館は、いざというとき必要な分だけ使えれば充分」だと主張している点。つまり本書は、“図書館を使い慣れていない人ための入り口”として機能してくれるのです。
5位『必読ベストセラーを超要約! ビジネス書大全』(本の要約サービスflier編集部 著、新潮社)11月29日
個人的には、要約だけをチェックしてその本を読んだつもりになるというスタンスは好きではありません。でも、要約を読んで概要を把握した結果、「実際に本を手にとって読みたくなる」のであれば、それはとても意味のあることだと思います。 そういう意味で、本の要約サービス「flier(フライヤー)」で紹介されてきた書籍をまとめた本書も、ビジネスパーソンにとっての大きな力になってくれるはずです。
4位『サイゼリヤ元社長が教える 年間客数2億人の経営術』(堀埜一成 著、ディスカヴァー・トゥエンティワン)6月13日
著者は「安いレストランの代名詞」であるサイゼリヤの社長として、急成長の基盤づくりなどの実績を積み上げてきた経歴の持ち主。 「お店で出している価格そのものが広告になっている」「広告に回すお金があったら、少しでもいい食材を使ってお客さまに還元する」というような主張に思わず納得してしまうのは、実際に結果を出してきた人物であるからなのでしょう。そして、ここで紹介されているさまざまな考え方は、あらゆるビジネスのヒントにもなるはずです。
3位『インプット・ルーティン 天才はいない。天才になる習慣があるだけだ。』(菅付雅信 著、ダイヤモンド社)6月26日
優れたクリエイターのアウトプットの質と量は、その人のインプットの質と量に負っていると著者は主張しています。 つまり「クリエイティヴであり続ける生き方」を保つためには、インプットの多様性と総量が意味を持つということ。 天才と呼ばれる人も、ネタのストックの量とネタの組み合わせの試行錯誤数が違うから、一般人とは異なって見えるというのです。そのような観点に基づいてインプットのあり方を説いた本書は、多くの知見を与えてくれることでしょう。