第156回直木賞受賞、恩田陸氏会見(全文)自分には縁のない賞だと思っていた
この作品で直木賞が受賞できたということについて
記者2:恩田さんは、デビューされてもう四半世紀になるわけですが、たくさんの小説をこれまで世に送り出してきてますけれども、その中で特にこの『蜜蜂と遠雷』という作品で直木賞を取ったということについてのお考えのようなものがあったら聞かせてください。 恩田:この小説で取れたことはすごくうれしかったし、今まで一番、長い時間をかけてるということもありますので、これを書きながら、すごく自分でも勉強になった部分もあり、成長したなという思いもあるので、この小説で取れて本当に良かったと、今、思ってます。 司会:それでは最後のご質問、何かございますでしょうか。それでは、じゃあ。 直木賞のすべて:インターネットで「直木賞のすべて」というサイトをやっている川口と申します。先ほども文学賞のちょっとテーマが出て、選ぶ側と選ばれる側っていう形で、恩田さんご自身も作品は選ぶ側に立つことがあると思うんですけれども、そういった経験が、例えば今回の作品になんか具体的に書くときに、自身の中で出てきたなんか影響とか、あるいは今回の作品だけじゃなくてもいいんですけど、作品を自分が選んでる中で、自分も書いていくっていう経験は、恩田さんの中でどのような形で処理されているというか、いるんでしょうか。 恩田:私も選考委員をやるようになって、本当に選ぶって恐ろしいことだなっていうのを年々実感しているので、やっぱり選ぶっていうのはたぶん、選ばれる側もすごく、選んでるところで選ばれてるっていうところがすごくあるので、たぶん、自分が選考委員とかするようになってから、影響っていうのは確かに、コンクールというテーマで書いてて、影響してると思います。やっぱり選ぶことはものすごく難しいんだなっていうのは、ここ数年、年々、ひしひしと実感しています。 直木賞のすべて:ありがとうございます。 司会:ご質問は以上とさせていただきます。恩田さん、何か最後にございましたら、一言どうぞ。 恩田:これまで長い間、書く場所を与えてくださった各出版社の皆さまと、一緒に伴走して付き合ってくれた編集者の皆さんに、本当にお礼を申し上げたいと思います。ありがとうございました。 司会:ありがとうございました。 (完)