【解説】“皇族数確保”の与野党協議きょう始まる 焦点は愛子さま佳子さまなど女性皇族の結婚後と旧宮家男子の将来
国会では17日午後、「天皇の退位等に関する皇室典範特例法案に対する附帯決議に基づく政府における検討結果の報告を受けた立法府の対応に関する全体会議」が初めて開催される。 【画像】皇族の女性は結婚すれば皇族を離れる事に この会議は、2017年に当時の天皇(現在の上皇さま)の退位に関する特例法が成立した際に議決された附帯決議で「安定的な皇位継承を確保するための諸課題、女性宮家の創設等」について政府が検討を行った上で結果を国会に報告することが盛り込まれ、2021年末に政府有識者会議の検討結果がまとまり、翌年国会に報告されたのを受け、各党各会派がこの課題について議論するためのものだ。 端的に言えば、現在、皇族の数が減り、とりわけ皇位継承資格のある男性皇族の減少が喫緊の課題となっている中、皇族数の確保策を軸に、安定的に皇位継承を可能とするための策について話し合う会議だ。ただ、2017年の退位特例法成立から実に約7年、政府有識者会議の報告からも2年以上が経過してようやく初会合に至ったことには、もっと早く議論すべきだったとの声も少なくない。 もっとも、自民党が岸田政権のもとで「先送りのできない課題」として、麻生副総裁をトップとした懇談会を開催して所見をとりまとめるなど重い腰を上げ、ようやく各党の議論の場が設けられるに至ったことは前進だと言えそうだ。17日の会議は衆院議長公邸で行われ、衆参両院の正副議長、各党各会派の代表者、そして政府を代表して林官房長官が出席する。 では、どんなことが議論の焦点になるのか。政府の有識者会議や与野党も「静謐な環境のもとで議論を深め、国論を二分するようなことはすべきではない」という考えで一致していることも踏まえ、冷静な視点で論点を検証したい。 最大の焦点は、政府の有識者会議が皇族数の確保策として示した「女性皇族が結婚後も皇族の身分を保持する」案と、「皇統に属する男系男子を養子縁組で皇族とする」案の2案(「男系男子を直接皇族とする」案を含めれば3案)の是非と、その制度設計の詳細ということになりそうだ。その先には、女性宮家の創設や、将来的に女性天皇・女系天皇を認める道を開くのかどうかという点も関わってくる。