「粉飾決算ははなまる」と自画自賛 融資を知り尽くす元銀行員の男ら“銀行をだました”か 粉飾決算で黒字経営を装い約5000万だまし取った疑い
■延命策が粉飾決算重ね銀行融資を継続的に引き出す仕組み
中核企業が大口の取引先を失い、グループ全体が赤字に。 “このままでは全社が倒産する”そんな状況で平井容疑者が手を染めた延命策が、グループ全体で粉飾決算を重ねて、銀行融資を継続的に引き出す仕組みだった。 平井容疑者:売上高のかさ上げだったり、不良資産、ベンリッチでいったら不良在庫の処理だったり、そのようなことを方法として指導させていただきました。 Q粉飾決算の評価は? 平井容疑者:意地悪な質問だなあ Q客観的に見てどうか? 平井容疑者:はなまるです。
■「虚偽」の黒字決算書をでっちあげる手法を指南
元銀行員の平井容疑者は、銀行が融資の審査で何に注目し、どこまで調べるかを熟知。その経験から、グループ企業の社長たちに虚偽の黒字決算書をでっちあげる手法を指南していた。 そして、粉飾された決算書を元にだまし取った融資金は、グループ全体で共有。返済時期が来たほかの融資の返済に充てるなど、自転車操業を繰り返していた。 平井容疑者:融資金を詐取するというのは粉飾決算の目的ではなくて、事業継続を前提とした時間稼ぎで、なんとか事業再生をして、お借りしたものを返していくと。その気持ちには揺るぎはなかった。 こう動機について語ってはいるものの、粉飾決算が露呈。グループのほぼ全ての会社が破産。負債総額はおよそ9億5000万円に膨らんでいて、返せる見込みはない。 なぜ、こうも簡単に銀行はだまされてしまったのか…
■「実行した社長たちに責任があって、自分は罪に問われない」
平井容疑者:金融機関の融資能力の低下です。あ、言っちゃったわ。これあかんやろ。 Qもしご自身が行員だったらベンリッチの粉飾決算は見抜けていましたか? 平井容疑者:難しいかな Qそれだけ上手な(粉飾の)指南をされていたということか? 平井容疑者:お恥ずかしい限りです。 自らの能力を誇示したうえで、責任を社長たちになずり付ける姿勢を見せた。 Q刑事罰を受けるリスクは考えなかったのか? 平井容疑者:当然それは常に考えています。粉飾(決算)をするに至った前提は、各社の放漫経営です。赤字を垂れ流したことが前提であって、そのため(延命)の手段の1つが粉飾(決算)。刑事的な責任については各社長にあると思います。 あくまで実行した社長たちに責任があって、自分は罪に問われないと豪語。