北海道の宿泊税導入 再来年4月から・・・ 先行して宿泊税を徴収している自治体ー倶知安町の反応は?
HTB北海道ニュース
世界的な冬のリゾート地として知られる後志の倶知安町。 この季節には、パウダースノーを求めて、世界各地から観光客が訪れています。 須藤有基記者「こちら倶知安町比羅夫地区にあるアイラブニセコのモニュメント。このように宿泊税が活用されています」 2019年、道内で初めて倶知安町が導入した「宿泊税」。 町内すべての宿泊施設で、食事代などを除いた宿泊料金の2%が課税される仕組みです。
倶知安町 文字一志町長「世界に誇れる国際リゾートを作っていきましょうやという大きな目標を掲げている中で、大変ですね、なくてはならない観光財源の確保手段だという風に位置付けております」 宿泊税による税収は、昨年度はおよそ4億4000万円。 比羅夫地区を循環する無料シャトルバスの運行費用や、ロードヒーティングの費用などに活用されています。 倶知安町 文字一志町長「しっかりとお客さんからいただいた税を基にですね、還元することができる。観光振興のために使える」 この宿泊税の課税方法を巡って、大きな問題が発生しました。 倶知安町から遅れること5年。道は先月26日、再来年4月に宿泊税を全道で導入する条例案を、道議会に提出しました。
鈴木知事「観光の振興を図る施策に要する経費を充てることを目的に、宿泊者に対して宿泊税を課する」 案では1人1泊につき宿泊料金が2万円未満は100円、2万円以上5万円未満は200円、5万円以上は500円を徴収する「段階的定額制」で、税収はおよそ年間45億円を見込んでいます。 鈴木知事「わかりやすさだとか、簡素な制度ということから、事業者の皆さんの声、また市町村でも様々なご検討をされた中で、定額制がいいのではないかということで」
道は今回、計算しやすいとされる「段階的定額制」を選択しましたが、高級宿泊施設が多い倶知安町では、料金に応じて2%課税する「定率制」を採用しています。 道の宿泊税が決まれば、倶知安町は二つの方式が混在することとなります。 早川貴士さん「どのようになるのかが、まったく話し合われていないんですね。この下に北海道宿泊税として入れていくのか、この宿泊税に合算して書いていくのか、そういった協議も一切聞いていないので、私たちは不安しかないんですね」 倶知安町でペンションを営む早川貴士さん。 異なる二つの方式で税を徴収することへの不安を口にします。 早川貴士さん「基礎自治体である倶知安町、一方で広域自治体である北海道。何かそういった小さなものを押しつぶせるんじゃないというような形を感じてしまわざるを得ない」 課税方法が混在することで宿泊客への説明が複雑になることや、事務作業が煩雑になることに懸念を抱いています。 そこで、道の宿泊税も現行の定率制で徴収したい倶知安町や観光協会などは、道議会各会派などに道の宿泊税も市町村ごとに「定率制」と「段階的定額制」を選択できる仕組みの導入ができないか要望しました。