【選手権】東海大相模が劇的な逆転弾で選手権初勝利。草津東はあと一歩及ばず
12月31日、第103回全国高校サッカー選手権大会2回戦16試合が首都圏8会場で行われた。Uvanceとどろきスタジアムby Fujitsuで行われた第1試合では草津東(滋賀)と対戦した東海大相模(神奈川)が2-1で逆転勝利を収め、新年1月2日に行われる3回戦に駒を進めた。 【フォトギャラリー】東海大相模 vs 草津東 「こちらも何とか1点、最後までセットプレーだったり、ひとつのチャンスにかけて、交代カードを全部使って仕掛けたんですが…逆にほんとに数秒のところでやられたのは悔しいとしか言いようがない。笛が鳴るまで何が起こるかわからないっていうのは、正にサッカーの怖さを今回は知りました」 試合後・ラストワンプレーで涙を飲んだ草津東・牛場哲郎監督は唇を噛み締めた。草津東のキックオフで始まった試合は、序盤、互いに主導権を握ろうとする攻防が続く中、東海大相模は14分、右サイドを仕掛けたFW11辻将耀のクロスの流れから、最後はDF5佐藤碧がミドルシュートを放つが枠を捉えることができない。これに対し、草津東は17分、右サイドからMF10上原周が入れたFKをDF4寺田大翔が綺麗に合わせ先制する。 追う展開となった東海大相模は、失点を機に攻撃のギアを上げると22分、右の佐藤からのクロスを逆サイドでMF7高畑旺崇がワンタッチで折り返すと最後はMF6長井隆之介が狙うがクロスバーの上。さらに35分には佐藤の左からのロングスローをFW14小林正樹が上手く逸らすがGK1岡留佑樹に掻き出され追いつくことができない。しかし、直後の37分、右のCKからのリスタートを逆サイドに大きく展開、最後は佐藤からのクロスを「あまりヘディングが強いキャラじゃないのですが、意外とヘディングにも自信があったので、勢いで入り込んで決められた」長井が豪快に頭で叩き込んで東海大相模が試合を振り出しに戻す。 逆転を狙う東海大相模はエンドが変わった62分、中央からボールを運んだMF10沖本陸が右サイドの辻に預け、そのリターンからシュートに持ち込むが、ボールは枠を掠め逆転はならず。さらに79分には右サイドのCKのこぼれをMF小林晄也が頭で狙うがGKの攻守に阻まれ、試合はいよいよアディショナルタイムへ。すると終了間際の80+4分、ゴール前の混戦からFW9山田大樹が放ったシュートがバーを叩くと、その跳ね返りを競り合いの中で「得点板を見たらもう時間が出てなかったので、終わりだなって思った。自分のところ上がってきたので、そこは自分の腕の力で相手を抑えて、気持ち出して決めた」佐藤が頭で捩じ込み逆転。土壇場で東海大相模が選手権初勝利を勝ち取った。 試合後、東海大相模・有馬信二監督は「苦しかったですね。やっぱり選手権は違いますね。本当に強度も違うし、勝ちたい思いっていうのが…相手も強いので、なかなか良さが出せなかったですね。あのバーに当たったのがよく上手く手前に落ちてきたなっていう運もあったなって思いましたね。やっぱり選手権の1勝は重いですね」と苦しかった胸の内を見せると「80分という試合時間の短さもあるし、即PKというのがあるので、どうしてもゴール前の攻防に行ってしまいがちですが、もっとボール動かして、中盤を動かして、3人目使って前進して。そういうシーンが次はもっと出せたらいいなと思います」と次戦への思いを口にした。 キャプテンの長井は「自分たちの長所は、技術を活かしたバスサッカーなのですが、今日ちょっとロングボールが多くなってしまった。次からもっと落ち着いて自分たちの良さを見せられたらいいなと思います」と意気込みを見せた。 (文・写真=西山和広)