日銀・黒田総裁会見6月20日(全文1)日本の景気は緩やかに拡大
日銀の黒田東彦総裁は、金融政策決定会合後の20日午後、記者会見を行った。 ※【**** 00:35:30】などと記した部分は、判別できなかった箇所ですので、ご了承ください。タイムレコードは、「日銀・黒田総裁が決定会合後に記者会見(2019年6月20日)」に対応しております。 【動画】日銀・黒田総裁が決定会合後に記者会見(2019年6月20日) ◇ ◇
金融政策決定会合の決定内容
日本経済新聞:じゃあ、総裁、よろしくお願いいたします。幹事社の日本経済新聞の【カメイ 00:02:36】と申します。お願いいたします。 まず本日の、金融政策決定会合の決定内容と、背景となる経済・物価情勢についてのご説明をお願いいたします。 黒田:本日の決定会合では長短金利操作、いわゆるイールドカーブコントロールの下で、これまでの金融市場の調節方針を維持することを賛成多数で決定しました。すなわち短期金利について、日本銀行当座預金のうち、政策金利残高にマイナス0.1%のマイナス金利を適用するとともに、長期金利については10年物国債金利が0%程度で推移するよう、長期国債の買い入れを行います。 その際、長期金利は経済・物価情勢等に応じて上下にある程度変動し得るものとし、買い入れ額については、保有残高の増加額、年間約80兆円をめどとしつつ、弾力的な買い入れを実施します。 また、長期国債以外の資産の買い入れに関しては、これまでの買い入れ方針を継続することを全員一致で決定しました。 ETFおよびJ-REITの買い入れについては、年間約6兆円、年間約900億円という保有残高の増額ペースを維持するとともに、資産価格のプレミアムへの働き掛けを適切に行う観点から、市場の状況に応じて、買い入れ額は上下に変動しうるとしています。 なお今回の決定会合では、前回4月の会合において、実施することとされた強力な金融緩和の継続に資する諸措置に関し、日本銀行適格担保の拡充および成長基盤強化支援資金供給の利便性向上にかかる基本要領の改正等について決定しました。 次に、経済物価動向について説明します。わが国の景気の現状については、輸出生産面に海外経済の減速の影響が見られるものの、所得から支出への前向きの循環メカニズムが働く下で、基調としては緩やかに拡大していると判断しました。やや詳しく申し上げますと、海外経済は減速の動きが見られますが、総じて見れば緩やかに成長しています。そうした下で輸出や鉱工業生産は弱めの動きとなっています。 一方、企業収益や業況感は一部に弱めの動きが見られるものの、総じて良好な水準を維持しており、設備投資は増額傾向を続けています。個人消費は雇用、所得環境の着実な改善を背景に、振れを伴いながらも緩やかに増加しています。