<リベリア ~ パーム油と百姓一揆> 農場での暴動(その1)
「パーム椰子の農場で暴動が起き、従業員が人質になっている」 首都モンロビアに滞在中、こんなニュースが耳に入ってきた。 アメリカに本社をもつゴールデン・ベロリウム社(GV)の農場は、首都から300キロ以上離れたブタウ地区にある。石がゴツゴツと地表に顔をだした悪路を7時間かけて夜通し走り、ようやく現場に到着したのは朝の8時を回った頃だった。暴動はすでに収まっていたが、モンロビアから投入された武装警官の部隊が隊列を組み、近郊の村々での家宅捜索の準備を始めていた。暴動加担者たちの逮捕と、農場から強奪された家具やコンピューター、食料などを取り戻すためだという。
軽トラックの荷台に乗り込んだ彼らは、近くの村から一軒一軒、しらみつぶしに捜索をはじめた。 (2015年5月) (フォトジャーナリスト・高橋邦典)