東京の「Go To」追加、まだ早い? 懸念する分科会メンバーも
政府は11日、有識者らによる新型コロナウイルス対策分科会を開き、観光支援策「Go Toトラベル」キャンペーンに東京都発着の旅行・都内居住者の旅行を10月1日から含ませることが妥当かなどについて議論が行われた。その後の記者会見で西村康稔(やすとし)経済再生担当相は「基本的に了解をいただいたと考えている」と語ったが、医療専門家のメンバーらからは東京の感染現状を踏まえ、判断するには時期尚早なのではないか、と懸念する趣旨の発言も出たという。どのような意見が交わされたのだろうか? 【動画】「GoTo」東京追加など議論 コロナ分科会後に尾身会長と西村担当相が会見
「ちょっとこの機会ですから、どんな風に分科会のメンバーが考えたか、感じたかについて説明を補足的にさせてもらう」―― 西村担当相とともに会見に臨んだ分科会の尾身茂会長(独立行政法人地域医療機能推進機構理事長)が語り始めたのは会見中盤だった。 尾身氏は「政府がなるべく社会経済を少しずつ、徐々に、気を付けながらやりたいという意向は、我々医療関係のメンバーも経済社会のメンバーも十分その意図・お気持ちは分かる」と政府が推し進めようとしている需要喚起策に理解を示した。一方で、東京を追加する日を現時点で決定して良いのか、をめぐり「かなり議論」したのだという。
東京「再燃可能性ある」
政府がGo Toトラベルを開始したのは7月22日。その時点で、東京だけが割引の適用対象から“除外”された理由として尾身氏は「東京の感染の状況が『別格だ』」という点があったと説明。それから2か月。いまの状況はどうなのだろうか。 尾身氏は「多少感染が低くなったけど、他の県の一部が(数値が)上がってきて、東京とその他の差が7月に比べると縮まっている」として相対的に東京の「別格度合い」が薄まってきたと説明。それでも「新規の感染は下火にはなっているけど本当に(その傾向が)定着して(いるのか)。医療界の方が『まだそこまでいっていないんじゃないのか』『完全に落ち着いたというところまでいっていないので、常に再燃の可能性がまだある』(と意見した)」と明かした。