山で遭難した男性救助に貢献 お手柄警察犬「ジゲン号」に感謝状、ビーフジャーキーもプレゼント
熊本県警玉名署は、小岱山で遭難した50代男性の救助に貢献したとして、県警直轄警察犬に登録されて2年目のジゲン号と指導士の井野満宏巡査長(38)=県警鑑識課=に感謝状を贈った。 【写真】感謝状を贈られたジゲン号と指導士 署によると、11月11日午後、男性の家族が署に行方不明者届を提出。署員たちが捜索し、夕方に登山口付近で男性のオートバイを発見した。だが日没で暗くなる中、前日の悪天候で道がぬかるみ、落ち葉が覆って危険だったため、その日の捜索を断念した。 12日早朝、捜索再開に先立ち、ジゲン号を投入すると、わずか20分で人の目では見つけにくい斜面で男性の所持品を発見。署員が周辺を重点的に捜したところ、急斜面の下で転落した男性が座り込み、寒さでがたがた震えているのを発見した。男性は命に別条はなかったものの、頭にけがをして衰弱していたという。 署は人命救助に加え、捜索範囲を絞れたため、山中の困難な環境下で捜索に当たった署員らの危険も回避できたとしている。 ジゲン号はジャーマンシェパードの2歳の雄。昨年7月に警察犬に登録され、犬舎がある警察学校の敷地で井野さんが日々の訓練に当たっている。これまでに事件捜査やイベントも含めて40回出動し、人命救助は今回が初めてという。 6日に玉名署で贈呈式があり、高橋太署長がジゲン号にビーフジャーキーもプレゼント。ジゲン号は報道陣に囲まれて終始興奮した様子だったが、その後の訓練披露では、井野さんの号令に正確な動きを見せた。井野さんは「臆病だが、好奇心と仕事への意欲が強い犬。高い能力を持っているので、もっと活躍できるように訓練を頑張りたい」と話した。 (宮上良二)