侍ジャパン4番の阪神・森下翔太が、プロ1年目から成績を残せた理由
プレミア12の初戦から9試合連続で4番を務め、大会最多得点を獲得した阪神・森下翔太がスターとなる前夜に迫った。 【写真で振り返る】プロ野球選手たちのスターとなる前夜
侍ジャパンの4番
プレミア12では準優勝に終わり、惜しくも前回大会に続く連覇を逃した侍ジャパン。 ただ多くの選手がコンディション不良で出場辞退するなかで、決勝を除くオープニングラウンド、スーパーラウンドの8試合すべてで勝利。新たな戦力の発掘という意味ではプラスの面も多かったことは確かだ。 そんななかで、野手で特に存在感を示したのが森下翔太(阪神)である。 プロ入り2年目ながら全試合で4番を任されると、28打数10安打1本塁打9打点、打率.357という見事な成績を残したのだ。
構えた時の雰囲気が1人だけ違う
そんな森下は神奈川県の出身で、高校では地元の強豪である東海大相模に進学。1年夏の神奈川大会ではいきなり4番を任されて話題となった。 初めて実際にプレーを見たのは2年の6月に行われた練習試合だった。 相手の柳ヶ浦のエースだった田中瑛斗(現・巨人)がこの年のドラフト注目選手だったということもあって、バックネット裏には多くのスカウト陣が集結。森下は4番、センターで出場してタイムリーを含む3安打という見事な活躍を見せたのだ。 当時のノートにも以下のようなメモが残っている。 「下級生だが構えた時の雰囲気が1人だけ違う。バットをしっかり立てて構え、タイミングをとる動きが小さく、ボールを長く見てシャープな振り出しでとらえられる。 パワーもあるが力任せではなく、スイングの形が安定しているのがいい。外角の厳しいボールに対してもしっかり踏み込んで右方向にも強く打て、打球の速さも申し分ない。 (中略) ヒットでも足を緩めることなく一塁到達は4.4秒台で、次の塁を狙う姿勢も目立つ」 ちなみに田中はこの年のドラフト3位で日本ハムから指名されてプロ入りしており、そんな投手を相手に結果を残したこともあって森下の印象は強く残っている。