日本株、「10年で1兆円」という異例の投資規模となる宇宙業界で「ダイナミックな成長」が期待できる「プロ厳選・中小型株5選」を実名紹介
スカパーJ(9412)
■株価(12月13日時点終値)終値915円 日本唯一の衛星通信事業者であり、静止衛星17基を運用するアジア随一の衛星オペレーターでもある。北米からインド洋上空までの広範囲をカバーし、通信インフラとしてだけでなく、安全保障や災害対策、環境管理など、幅広い分野の衛星サービスを提供している。 新旧事業が両輪となって中期的な収益成長を支えてくれそうだ。安全保障分野の事業拡大では、JAXAとの共同研究契約以外に宇宙分野の協力強化の一環として、米軍とも連携を進めている。また新規事業では、子会社の「オービタル・レーザーズ」を通じて、衛星レーザー技術を活用した宇宙ごみ(デブリ)除去や、高性能センサー「LiDAR(ライダー)」による地表情報の提供も目指している。 中期目標では、2030年度に当期純利益250億円超を目指している。2027年打ち上げ予定の新規衛星2機は運用開始前段階から顧客の獲得を進めており、稼働開始に伴って収益基盤は大きく強化される見込みだ。
アストロHD(186A)
■株価(12月13日時点終値)819円 将来的な実用化が期待されるデブリ除去サービスの実証実験を強力に推し進めている。2024年2月に打ち上げた人工衛星「アドラスジェイ」は、2009年に打ち上げられたH2Aロケットの残骸に対し、50メートルから15メートルまでの接近に成功しており、世界中から一躍注目された。 民間企業として史上最も近い距離へ接近したことで、デブリ除去の実現可能性を大きく示す成果といってよい。宇宙空間に存在するデブリは秒速8キロメートルもの高速で飛行しており、その数も年々増えていることは周知のとおりだ。他の人工衛星や宇宙船に衝突するリスクは高まっており、現在実証中のデブリ除去技術の市場適用も前倒しで進む可能性があろう。 現在は契約締結の遅れなどから赤字経営を余儀なくされているが、2025年度末までにデブリ除去や燃料補給サービスの本格的な収益化を目指している。使用済み人工衛星を軌道から除去する期間を従来の25年から5年以内に短縮する新ルールが施行されるなど、規制環境が変化していることも追い風だ。