貴乃花親方の年寄引退会見(全文1)告発状は事実無根、認めるよう協会が圧力
貴乃花親方より引退の報告
貴乃花:私、貴乃花光司は本日、公益財団法人日本相撲協会に年寄を引退する旨の届けを提出いたしました。引退の理由は次のとおりです。本年3月9日、私は貴ノ岩への傷害事件に関する日本相撲協会の対応などについて、真実を隠さず追及したいという気持ちで内閣府公益認定等委員会に告発状を提出いたしました。その後、私の弟子の不行き届きもあり、3月28日付で告発状を取り下げましたが、告発状の内容にはなんら真実に関する点はありませんでした。その後、私は先般受けました降格処分を真摯に受け止め、一兵卒としてゼロからスタートさせていただき、部屋に所属する力士に対する指導、監督、および審判としての業務に粛々と従事してまいりました。 しかし、本年8月7日、日本相撲協会より協会が依頼された外部の弁護士の見解を踏まえたとする書面が届きました。その書面では告発状は事実無根な理由に基づいてなされたものと結論づけられておりました。これに対して私は書面で告発状の内容は事実無根ではないことをご説明してまいりましたが、その後、告発状の内容が事実無根な理由に基づいてなされたものであることを認めないと親方を廃業せざるを得ないという、有形無形の要請を受け続けてまいりました。 さらに今般、日本相撲協会理事会において全ての親方は一門のいずれかに所属しなければならず、一門に所属しない親方は部屋を持つことができないという決定がなされたとのことですが、同時に私はいずれかの一門に入るための条件として告発の内容は事実無根な理由に基づいてなされたものであると認めるようにとの要請を受け続けておりました。しかしながら内閣府公益認定等委員会に提出した告発状は事実無根な理由に基づくものではございません。真実を曲げて告発は事実無根だと認めることは私にはできません。 一方でこのままでは私はどの一門にも属することができません。これでは貴乃花部屋に所属する力士たちは相撲を続けることが困難になり、安心して鍛錬、精進することができません。このような状況において、断腸の思いではございますが、貴乃花部屋の所属しております力士、床山、および世話人は全員継承者である千賀ノ浦部屋に所属先を変更させていただき、私、貴乃花光司は年寄を引退させていただくことが最善の道であると苦渋の決断をするに至った次第です。皆さま方におかれましては私の弟子たちに変わらぬご厚情、ご支援をいただきますよう師匠として最後のお願いを申し上げるものでございます。 司会:ありがとうございました。それでは皆さま方からのご質問をお受けしたいと思います。ご質問される方はまず会社名、所属名、およびお名前をおっしゃっていただいた上で、本日の引退記者会見に関するご質問を簡潔にお願いいたします。では挙手をお願いします。真ん中の席の方どうぞ。マイクをお持ちします、ちょっと届くのに時間が掛かるかもしれませんけれども、ご容赦ください。