【徹底検証】郵便料金「大幅値上げ」の一方で“配達の遅れ”はどうなる? 都内から全国各地に郵便を出したら驚きの結果に…「埼玉」よりも早く「離島」に届いていた!
郵便料金が大幅な値上げ
郵便料金が10月1日から値上げされることになった。具体的には、63円だったハガキが22円アップの85円に、84円だった封書が26円アップの110円と、大幅な値上げになる。封書は1994年に80円になってから、82円、84円と小刻みに値上げしているものの、これは消費税率のアップに伴う変更であり、今回ほどの大幅な値上げは30年ぶりである。 【写真】まるでコンビニ? 重々しい雰囲気から一変してカジュアル化が進む東京中央郵便局の内部
だが、郵便料金は既に値上げされているようなもの、という意見もある。というのも、普通郵便が届くまで、日数がかかるようになったためだ。これは郵便局の働き方改革の一環によるサービスの見直しとして、2021年10月から普通郵便の土曜日の配達を取りやめたこと、そして2022年2月頃までに、深夜から早朝にかけて行ってきた郵便物の仕分けを日中に行うようにしたためである。 これは郵政民営化が決まって以来、屈指の郵便制度の改悪と言う利用者も多い。というのも、従来、東京都内の住所から東京都内、もしくは関東近郊に宛てた普通郵便は、投函した翌日に届いていた。現在は最短でも2日後の配達になってしまうのである。しかも、土・日曜は普通郵便の配達を行わないため、仮に木曜日に投函した場合、配達が月曜日になってしまう。つまり、4日もかかってしまうのだ。都内宛ての郵便物なら、直接持って行った方がマシなくらいである。 翌日に届ける方法はある。速達を使えばいいのだ。速達なら土・日曜の配達もある。しかし、速達は84円にさらにプラス260円を払わねばならない(10月1日から速達料金は300円に値上げされる)。つまり、かつての普通郵便に近い条件で届けるためには364円(10月1日からは410円)かかるのだ。このように、郵便はかなり割高に感じられるサービスになっている。
普通郵便、いったい何日かかる?
10月1日の値上げを前に、普通郵便で郵便物を出した場合、いったい何日かかるのか、実際に郵便を送って検証することにした。9月3日(火)の11時45分頃、東京駅前の「KITTE」にある東京中央郵便局の窓口から、「東京都」「埼玉県」「秋田県」「愛知県」「奈良県」「佐賀県」「奄美大島」の7ヶ所に普通郵便で手紙を出した。受取人には、到着したら連絡をもらえるようにお願いした。 今回の実験をするにあたり、基本的に送り先は個人宅とした。企業は大量に郵便が届くうえ、社員のデスクに届くまで時間がかかるため、除外している。秋田県の送り先は筆者の実家であり、埼玉県は越谷市にある筆者の事務所である。東京都は、このデイリー新潮の編集担当の住むマンションだ。愛知県は友人宅で、佐賀県はデイリー新潮でもおなじみの編集者・ライターの中川淳一郎氏が住む唐津市のマンションである。 奈良県は、筆者がいつも仕事でお世話になっている知人の自宅だ。通常ならゆうパックで送るお菓子を普通郵便で送ってみた(もちろん常温保存可能で日持ちするものである)。これは、いわゆる封書やハガキのような決まったサイズの郵便物(定形郵便)と異なる、定形外郵便でも速度が同じなのか確認したかったためだ。郵便局の窓口では「速度に変わりはないと思いますよ」と言われたが、本当にそうなのか。 奄美大島を入れたのは、離島に届くまでに何日かかるのか、純粋に興味があったためである。筆者は1週間くらいかかるのではないかと予想。以前に取材で知り合った「あまみエフエム」の名物パーソナリティー・渡陽子さんに協力してもらい、「届いた手紙は番組内で読み上げるなりご自由にご利用ください」とお願いした。あまみエフエムは小規模なラジオ局で、受け取った郵便をすぐスタッフが見ることができるので、正確な到着時間を知ることが可能だ。