フォードのハンズフリー運転システムを米当局が調査 死亡事故2件で13万台対象
米自動車大手フォードの電気自動車(EV)「マスタング・マッハE」が絡んだ2件の死亡事故を受け、米運輸省道路交通安全局(NHTSA)が同社のハンズフリー運転支援システム「ブルークルーズ」について調査を開始したことが明らかになった。 4月25日付のNHTSAの通達によると、事故は2月24日と3月3日に発生。いずれもマスタング・マッハEが「夜間に照明を点けて走行中」に停止中の車両に衝突したもので、2件の事故で合わせて3人が死亡、2人が負傷した。 初期調査の結果、2台とも事故の「直前」にブルークルーズが作動していたことが確認されたという。 NHTSAは、フォードの先進運転支援システム(ADAS)「Co-Pilot360 Active 2.0」を搭載した2021~24年型のマスタング・マッハE、計13万台余りを対象に、システムの「ダイナミック・ドライビング・タスク」とドライバーモニタリング機能を審査するとしている。ブルークルーズはCo-Pilot360の機能の一部だ。 フォーブスの取材に対し、フォードは「NHTSAの調査に協力している」と答えた。 ドライバーがハンドルから手を放しても車の走行を可能にする高度な自動運転システムをめぐっては近年、特にEV大手テスラの「オートパイロット」を中心に、規制当局の監視が強まっている。 NHTSAによると、2021年に実装されたフォードのブルークルーズは、特定の道路でのみ作動可能で、「カメラを使用したドライバーモニタリングシステム」により運転手の注意力が散漫になっていないか監視する。フォードはブルークルーズについて、完全な自律走行を実現するシステムではないと説明している。 マスタング・マッハEが絡んだ2件の死亡事故のうち2月に発生した事故は、フォードの運転支援技術が関係する初の事故として連邦規制当局の注意を引いたと米紙ウォールストリート・ジャーナルは報じた。 なお、NHTSAは26日、テスラのオートパイロットに起因するリコール対応をめぐり調査を開始したと発表した。12月に200台余りを対象に実施したリコールで、システムの不具合を修正する措置が適切であったかを調べている。
Cailey Gleeson