東京五輪新競技3人制バスケ日本代表候補が「面白くない」発言張本氏に反論
東京五輪から新競技として加わることが決まった3人制バスケットの3×3(スリーバイスリー)の日本代表候補に36歳になるレジェンドプレーヤーがいる。ストリートバスケットの「SOMECITY」に出場しているチーム「F'SQUAD」などで活躍中の鈴木慶太だ。FIBA(国際バスケット連盟)が発表している個人ランキングでは日本で4位(世界ランキング103位)。先の3×3の日本選手権では、RBC東京のメンバーとして3連覇を果たした。3人制バスケットが日本で本格的にスタートした2000年代の創生期から、ずっと第一線で活躍してきた。そして、今なおトッププレーヤーとして、3×3界のレジェンド的立場で君臨する「K―TA」にとって、まさに五輪決定は悲願だった。 その夢の瞬間を味わうはずが、水を差すようなちょっとした事件が起きた。 この18日に“ご意見番”の張本勲氏がTBS系の情報番組「サンデーモーニング」で3×3バスケットについて「何が面白いのかね。オリンピックに出るような種目じゃないと思う」と大暴言を吐いたのである。 さぞかし怒っているのか、と思っていたが、「仲間うちでも話題になりましたが、五輪競技となったことで、張本さんでさえ気にしてもらうくらい注目されているってことでしょう。注目度の高さをヒシヒシと感じます。怒りなんかないですよ。炎上商法としてはいいんじゃないですか?」と笑い飛ばす。 「でも、張本さんも、ちゃんと見たことがないから、そういう発言をされたんだと思うんです。僕らが月に2度のペースでやっているサムシティの大会に招待しますから、ぜひ見にきて欲しいですね」と続けた。 では、何が面白いのか? 5人制のバスケットと、どこが違うのか?を鈴木に聞くと、「めまぐるしいスピード感とリズム、テンポが違います。得点が5人制とは違うので逆転や番狂わせが起きるんです。ギャンブル性が高い。また狭い場所でぶつかり合いますからコンタクトプレーも激しい。1対1で打破していく個人技も見ている人が楽しめるところですかね」と、文字数が足りなくなるくらいの勢いで、熱いトーク。 「3×3」は、3人対3人でハーフコートで争うゲームだ。ゴールの高さは5人制と同じで、10分間、もしくは21点先取で試合が終わる。ボールは5人制で女子が使う少し小さい6号のものを使用するが、重さは男子の公式ボールと同じ7号にあわせられている。5人制と大きく違う点は、得点。ツーポイントラインの内側から打てば1点、外から打てば2点。5人制は2点、3点だが、3人制は点数が違うため、どこでどの得点を狙うかの戦術、戦略が重要になってくる。 ショット・クロックは12秒に設定されていて、12秒以内でシュートを打たねばバイオレーション(攻撃権の交替)をとられる。攻守の切り替えがスピーディーとなり、激しい運動量が求められ「ひとつのプレーをミスしたらもう時間がなくなるので正確性が必要になります」(鈴木)という。 屋外を主に利用される会場では、ヒップホップ・ミュージックが流され、MCとDJがいて試合を盛り上げる。5人制バスケットとは違い、ポップカルチャーと融合している点も若い世代の支持を受けている。