東京五輪新競技3人制バスケ日本代表候補が「面白くない」発言張本氏に反論
日本代表の世界ランキングは10位。フランスで開催中の第4回世界選手権に、日本男子は出場できなかったが、これまで出場した2大会はいずれも予選リーグで敗退している。鈴木は、2014年のロシア・モスクワ大会に主将として出場、予選リーグのインドネシア戦で記念すべき初勝利をもたらし、2016年の中国・広州大会にも続いて代表に選ばれ、トルコ、中国に連勝して予選リーグ突破が見えたが、その試合でメンバーの一人、落合知也が、前十字靭帯断裂のケガを負い離脱、アメリカ、オランダ戦を落とし決勝トーナメント進出(ベスト8)はならなかった。 5人制では、NBAを主体にドリームチームを結成してくるアメリカがダントツに強いが、3人制では一度も優勝経験がなく、欧州が強い。2012年から始まった3×3の世界選手権で、今大会も含めて、3度頂点に立ったのはセルビアである。 鈴木の説明によるとセルビアは国内を勝ち抜いたクラブチームで190センチから198センチのサイズのある選手を揃えているが、全員がインサイドでもアウトサイトでもプレーができてシュート力も高い。ディフェンスもできる万能選手が揃っていて、それが世界の3×3のトレンドだという。 鈴木は、日本がその世界で勝つための条件を、こう考えている。 「シュート力、運動量、正確性がカギです。チーム全体をどこまでサイズアップできるかも重要でしょう。そして、ごちゃごちゃとした空間の中で、いかに効率のいい判断をするか。そのためには、自動的に3人が反応するようなチームルールを徹底して熟成させておくことが重要。“世界最強”のセルビアとも、そんな点差は開かなかったし、5人制に比べてメダルのチャンスは十分にあると思います」 現在、日本の3×3のプロリーグとしては3年前にスタートした「3x3 PREMIER.EXE」があり、若干、競技の3×3とはルールが違うストリートバスケットの「SOMECITY」という全国規模の大会があり、鈴木は両方に跨って出場している。また3×3の日本選手権も、年に一度、全国予選から開催されている。11月には中国でアジアカップがあり、そこに向け日本バスケットボール協会が中心になって、代表の選考合宿が始まっているが、まだこの競技の発展、強化の環境は整っていないという。 「現状、大会、試合しかないんですよ。ボールひとつあればどこでもできるのがストリートバスケットの精神ですが、どんな人が、どんな場所で3×3をできるのか、という環境がまだ整っていません。よその国を見ても、代表チームの強化策はバラバラで手探り状態ではあるのですが、五輪競技になった以上、底辺も含めて環境を整備していく必要はあると思うんです」