日本製鉄、USスチールは買収後も「米国企業」 取締役過半数を米国籍などガバナンス方針公表
日本製鉄は4日、現在進めている米鉄鋼大手USスチールの買収完了後のガバナンス(企業統治)方針を公表した。USスチールの取締役の過半数を米国籍とするほか、取締役会のうち少なくとも3人は米国籍の独立取締役とする。USスチールの経営陣に関しても、中枢メンバーは米国籍にするとした。 方針では「(USスチールは)米国企業として存在し続ける」と明記し、買収に伴うレイオフや工場の休止・閉鎖などは行わないとした。今回の買収を巡っては、米大統領選に出馬している共和党候補のトランプ元大統領のほか、民主党候補のハリス副大統領も反対の姿勢を示している。米国企業として存続させる方針を強調することで、日鉄に対する懸念を払しょくしたい狙いがあると見られる。 ガバナンス方針ではこのほかに、全米鉄鋼労働組合(USW)との基本労働協約の対象拠点に少なくとも14億㌦(約2035億円)の投資を実行するほか、USスチールの通商措置に関する意思決定に日鉄は干渉しないことなどを盛り込んだ。