エアコン暖房「つけっぱなし」と「こまめに消す」どっちが節電になる?プロに聞いた節電方法
寒さも本格的となり、冬の到来を感じている人も多いのではないでしょうか。 寒い日はできるだけ暖かく過ごしたいけれど「電気代が気になる!」ということで、170を超える国と地域で事業展開する空調総合メーカー「ダイキン工業株式会社」のコーポレートコミュニケーション室で広報を務める重政周之さんに話を聞きました。 【画像】同じ温度でも体感温度を上げるコツ 記事を読んだあとすぐに実行できる節電方法から電気代の計算式、エアコンの豆知識など盛りだくさんの内容でお伝えします。
つけっぱなしで節電に?「目安」は30分
――ひと昔前までは “電気はこまめに消す”ほうが節電につながるといわれていましたが、最近では“つけっぱなし”を推奨する声も増えました。エアコン暖房だと、どちらが節電になるか知りたいです。 重政さん:基本的には、つけっぱなしにしておいたほうが節電になりやすいです。ただ、24時間つけっぱなしのほうが節電になるかというとそうでもありません。少しの間だけ部屋をあけるといった場合は、つけたままのほうが節電につながることもあります。 ――エアコンを消すかどうかの具体的な目安時間はありますか? 重政さん:その日の気温やお住まいの環境にもよりますが、30分ぐらいが目安です。エアコンは、寒い部屋を設定温度まであたためようと頑張るときに多くの電力を使います。そして室温が設定温度に到達した後は、消費電力の少ない安定運転で室温を維持する。こういったエアコンの特徴が深くかかわっています。 ――エアコンを消すと部屋の温度が下がってしまうため、いちから暖めることになり、消費電力が大きくなり電気代が高くなってしまうのですね。 重政さん:はい。エアコンをつけたまま室温をキープしておいたほうが消費電力量を抑えられるという目安時間が30分程度。それ以上長く部屋を空ける場合には、エアコンは消しておくのがおすすめです。
お肌も喜ぶ!「湿度アップ」で節電する方法
――ほかにも、何かを購入せず、すぐにできる節電方法はありますか? 重政さん:部屋の湿度を上げると同じ温度でも暖かく感じられるので、加湿して体感温度を上げればエアコンの設定温度の上げすぎを抑えられ、節電につながります。身の回りにあるものを使う場合、洗濯物などを部屋干しするというのもひとつの手段です。。 ――洗濯物も早く乾いて一石二鳥ですが、冬の室内はそれほど乾燥しているということですね。 重政さん:一年のうちでもっとも空気が乾燥するのが、12月から2月と言われています。空気には温度を上げると湿度が下がるという性質があるため、外気の相対湿度(空気の水蒸気含有量)は50%でも、暖房をしている室内では20~30%と低くなることも少なくありません。湿度が下がると乾燥しやすくなるため、肌の潤いを逃がさないためにも、湿度を保つことは大切といえるでしょう。 ――湿度は、高いほどよいのでしょうか? 重政さん:部屋の湿度は40~60%ぐらいを目標に保っていただくといいかと思います。快適な湿度を保つには、加湿器や加湿空気清浄機の併用がおすすめです。もちろん、エアコン以外の電化製品も使うため電気代はそのぶんかかってしまいますが、エアコンの設定温度の上げすぎによる消費電力の増加は抑えられます。