花火大会復活、簡単やないで 運営に奔走、9月15日開催の大阪「水都くらわんか花火大会」
しかし、新型コロナ禍に見舞われ、2020、21年の開催をあきらめざるを得なかった。 井関さんも飲食店の経営が厳しくなる。同じ境遇で苦しむ地元の店を助けようと、ウーバーイーツのような大手より手数料が安い料理宅配サービスを開始。枚方の新しい名物にしようと芋スイーツ店も開いた。現在、観光地域づくり法人(DMO)「くらわんか観光マネジメント」の代表理事も務める。イベント運営で奔走していたら、いつの間にか地域観光推進の顔役になっていた。 イベントは2022年に「水都くらわんか花火大会」に名称を変え、交通規制を伴う「花火大会」として運営された。「水都」は「水の都・大阪」の別称、「くらわんか」は「食べないのか?」の方言だ。この地域では19年ぶりの花火大会の復活だった。コロナ禍はまだ続いていたが、約25万人の来場者を集めた。 今年も多数の来場者を見込む。9年前の最初のイベントで75発程度だった打ち上げ数は5000発を超える規模となる。
ただ、事故は絶対に防がなければならない。地震のような災害が起きたときの避難も重要だ。運営者側は来場者の安全確保に最も神経をとがらせている。 ▽泣いている人 花火の値段は高い。比較的大きな8号玉で1玉5万~6万円はする。大会の運営費は数千万~数億円かかると言われる。 埼玉県狭山市、千葉県御宿町、岐阜県笠松町―。今年の花火大会を見送る事例が相次いだ。理由は開催経費が高騰しているためだ。警備員などの人手確保が困難になり、燃えかすに対する住民からの苦情もある。運営側が対応に追いつかなくなっている。 資金集めに苦慮しているのは「水都くらわんか花火大会」も同じだ。 「この地域にとっての『花火』とは思い出であり感動であり絆です。この街にとって大切なものを感じてもらう場所を創造する為に花火を上げます」 水都くらわんか花火大会のホームページには、こう記されている。 井関さんは言う。